内容説明
明治二十四年「早稲田文学」創刊。「しがらみ草紙」と二誌を舞台に展開した鴎外・道遥の没理想論争は、文学青年達に新鮮な感動を与えた。露伴『五重塔』発表。「文学界」創刊。「帝国文学」創刊、一葉『たけくらべ』等発表の二十八年まで。新しい文学機運の中で透谷、藤村、子規、漱石、独歩、蘆花ら、二十代の若き彼らは、文学、恋に苦悩しつつ、自らの人生を生き抜いていた。青春の香り溢れる明治二十年代文壇群像。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AR読書記録
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確かに悩める若人の群だなぁ。樋口一葉の半井桃水への思慕というのはきゅんきゅんくる感じでよいが、それ以外にこんな危うい迷走もしていたとは意外だなぁとか。島崎藤村と佐藤輔子の純愛っぷりもたまらんが、これが後に姪を孕ませて逃げるまでになっちゃうとはなぁとか。ところでここには、日清戦争という、“開国以来初めての、国の運命を賭けるようなこの大国との戦争に、政治家も国民も知識階級も沸き立”ち、国民新聞などのマスコミも国民感情に迎えられて主戦論一色になっていくという、その様子がちらりと触れられていて、大事とおもう。2015/02/05
rbyawa
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h069、2巻は比較的情報の傾向が整っていたものの、3巻になるとゴシップ的な内容が増えそこに心情の書き込みがあるのでどうにも引っ掛かるものの、どうもそれぞれの章ごとに伝聞で情報を得ているのでは? と思いながら読んでみたら少し読みやすくなったかな。例えば田山花袋(経歴語りは2巻)などもネットで少し調べただけでもだいぶ違っていたので、比較的近い時代にそう証言していた人がいた、という認識のほうがいいかも。とはいえ、通史として読むとそれでも少しずつなぜ硯友社が力を失ったか、花袋が頭角を示すかはわかる気もするなぁ。2017/10/08
otmsy
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副題に「悩める若人の群」とあるけれど、特に目についたのは樋口一葉と島崎藤村の話。特に藤村に関しては、失恋、自殺未遂、窮乏という要素が盛り沢山で、読み手の自分でもこたえるほどだった。2012/01/01
nao
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子規、漱石などおなじみの面々が登場。 特に樋口一葉の作品をじっくり読みたくなる。2011/09/19
l_picnic
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一葉のエピソードが少女マンガぽくていいな2011/04/18