講談社文芸文庫<br> 日本文壇史〈2〉新文学の創始者たち

講談社文芸文庫
日本文壇史〈2〉新文学の創始者たち

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  • サイズ 文庫判/ページ数 350,/高さ 16cm
  • 商品コード 9784061963085
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0195

内容説明

明治十九年一月、二十一歳の二葉亭四迷は、不審紙を付けた『小説神髄』を持ち、本郷真砂町に未知の坪内逍遙を訪ねた。その翌年、幼な友達だつた二葉亭と山田美妙は奇しくも、時を同じくして日本最初の口語体小説を発表した。紅葉、忍月、露伴、透谷、鴎外等による画期的文学の創造。漱石と子規の出会い。一葉の半井桃水への入門。独歩の受洗。新文学への熱気をはらむ若き群像と文壇人間模様。

目次

明治十九年(逍遙と二葉亭と矢崎嵯峨の屋;長谷川如是閑の少年時代 ほか)
明治二十年―二十一年(田口卯吉と徳富蘇峰;「国民之友」創刊 ほか)
明治二十年―二十一年(北海道から上京した露伴;日本訳聖書 ほか)
明治二十二年春(紅葉が「二人比丘尼色懴悔」を書いて文壇に登場する;「新著百種」のこと ほか)
明治二十二年(前年ドイツから帰った鴎外が結婚し、文学仲間と訳詩集「於母影」を作る;その影響を受けた中西梅花、松岡国男、島崎藤村等 ほか)
明治二十二年末(饗庭篁村が「読売」を退く;明治二十三年、新聞「日本」の発刊 ほか)
明治二十三年(露伴の「縁外縁」が発表される;矢野龍渓の「浮城物語」と森田思軒 ほか)
明治二十三年(斎藤緑雨の戯文;露伴の「一口剣」が出る ほか)
明治二十四年(紅葉が牛込の横寺町に移る;岩野泡鳴が東北学院に入る ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

AR読書記録

3
西鶴調、戯作調、言文一致、漢文調... こういうところの試行錯誤の苦闘や“新しい”という感覚は、今の我々は体験できないものなんだなと思うと、ちょっと残念な気はしてる。しかし、文学者(やその周辺の人)たちの人となり、容貌が細かに描写されていて、美男とかいわれるとつい興味がわいたり、ドラマで見たのとは全然違う印象にげんなりしたり(綾瀬はるかとは遠い...)、その気はないけどつい野次馬ゴコロを刺激されつつ読んでしまうな。新しい文学が花開くのは次巻のもよう。2015/01/10

ukikusa

1
やっと2巻読了。1巻を読み始めてから、10年はたっている。汗 壮大な群像劇だが、それぞれの人となりが良くわかる気がする。淡々とした文章で、最小限の記述のように思うけど、引き付けられて興味が湧いて、ちょっと読んでは青空文庫に走り、なかなかすすまない。鴎外、漱石はさすがに大きく脱線してしまい、何年も放ってしまった。1巻は新聞小説が多いような感じだったが、だんだん本らしくなってきた。美男の泉鏡花の行く末を楽しみに、3巻に突入するつもり。波乱万丈の人生、てんこ盛り。 2016/06/21

otmsy

1
この巻の主軸は尾崎紅葉だと思うんだけど、紅葉やその周辺の人物だけでなく、好戦的な森鴎外や超然とした風情のある幸田露伴も印象に残る。そして少しずつ次世代の作家を舞台に上げているのが心憎い。次の巻も楽しみ。2011/09/16

l_picnic

1
秋声、鏡花、一葉も出てきて盛り上がってきました2011/03/01

rbyawa

0
h065、正直なところ延々と新聞の歴史を見る嵌めになっていた1巻はなかなか読み進まなかったが、すでに出揃ったのか朝日新聞が誕生した程度で済んでくれて良かった(これ自体は興味深いんだけどね、へー、星亨系の機関誌を吸収したのか)山田美妙という人物が話し言葉に近い「言文一致」という新しい概念を使った小説をまず書き、二葉亭四迷がそれに続き、ただし時代は江戸中期の西鶴をベースに使った尾崎紅葉、幸田露伴などを賛美し、その流れとは無関係に森鴎外が誕生し、まず文芸評論家として認められる。1巻と比べてだいぶ人が増えたなぁ。2017/08/31

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