講談社文芸文庫<br> 魯迅

講談社文芸文庫
魯迅

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  • サイズ 文庫判/ページ数 257p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061962897
  • NDC分類 920.28
  • Cコード C0195

内容説明

“絶望の虚妄なることは正に希望と相同じい”と魯迅を引用し「絶望も虚妄ならば、人は何をすればよいか。…何者にも頼らず、何者も自己の支えとしないことによって、すべてを我がものにしなければならぬ。」と魯迅を追尋しつつ論及、昭和十八年遺書を書く想いで脱稿。そして応召。僚友武田泰淳の『司馬遷』とともに、戦時下での代表的名著。

目次

序章 死と生について
伝記に関する疑問
思想の形成
作品について
政治と文学
結語 啓蒙者魯迅

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナハチガル

10
文章は面白いのだが、シンプルな伝記が読みたかったので半分ほどで挫折。「魯迅の小説はまずい。近代文学の伝統の浅い中国では、小説は一般にまずいが、しかしそれにしても魯迅の小説はまずい」2022/04/02

ロビン

9
中国文学者・竹内好による魯迅論。伝記、作品、思想、政治の切り口から魯迅を考えてある。魯迅は難しい作家だと思っていたが、竹内先生も「わかりにくい」「複雑」と書いていたので少し安心した。魯迅は直接的に政治にはほぼ関わらなかったが、在り方自体が政治的な作家であると思う。彼は言う。「革命のためには『革命人』が必要なのであります。いわゆる『革命文学』などは、問題でない。革命人が作り出してこそ、それが本当の革命文学であります」。実質なき形式や虚名、行動なき傍観を彼は憎み、常に本質を問うて論争を続けた。偉大な人である。2019/04/15

masawo

3
「吶喊」「野草」を経て読んでみた結果、主題の魯迅よりも竹内氏の無骨な人間臭さに魅了されてしまった。文学者としての魯迅のスタンスは一筋縄ではいかない捻くれ具合だが、竹内氏は「日本とアジア」同様、寄り道しまくった挙げ句当たって砕ける感じの展開で全く飽きない。とにかく魯迅の書いてる事を真に受けてはいけない、という事だけは分かった。2018/08/03

びーちゃん

0
評価22010/12/23

osakif

0
★★青空文庫で「白光」を読みました。記録したいけど本がないのであて本してます。内容は、科挙試験(公務員試験)に何回も落ちて塾講師をしている中年の男の話。夢想の部分と現実の部分の折り合いをつけることができない。夢から醒めるには自分を客観的に見ることが必要だけどそれはきっと厳しいこと。男はそれをうすうすわかってて最後まで逃げようとしたのかもしれない。夢がないと現実を乗り切るのは厳しいけど、夢の世界に住んでしまうと、現実離れしてしまう。夢は夢として認識して、現実を認識したうえでそれに向かって努力するのがよいか?2010/12/29

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