内容説明
幼い娘をもつ若い女性と結婚した中年の“私”が、“官能の烈しさ”を秘めた過去の日々を回想する「再婚者」。三十年ほど前にお会いし求婚されました、という婦人の突然の来訪に戸惑う小説家の奇妙な体験「弓浦市」。作家の日常の虚実を淡々と語る「夢がつくった小説」。川端康成最晩年に至る心境のにじむ短篇十一篇収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
53
<大学図書館本>借りられたけれどできれば入手したい。「水月」と「二人」で妊婦の異常を書いているのが興味深かった。2019/02/25
たぬ
23
☆4 1948年~70年に書かれた11編。美しい文章だなあとつくづく。頭おかしいおばさんも(「弓浦市」)どんなに話しかけても頑なに無言を貫く中二病の66歳も(「無言」)52歳の主婦と大学生が深い関係になるのも(「夫のしない」)、凡庸な筆力だったらここまでの上品オーラは出せないでしょ。「竹の声桃の花」のしっとり感たるや! 好き。2023/01/23
桜もち 太郎
3
川端康成の少女愛が官能的だった。2014/03/06
mak2014
1
表題2編含め全11編の戦後から晩年にかけての作品集。ストーリーはあってないようで、時々の心の動きや揺らぎを描くのが川端の狙いなのだろう。読んでいるこちらの心も柔らかくそっと揺らされるような、気持ちにさせられる。2013/03/15
kyara
1
弓裏市 これを朗読する事になった。この夫人を妖艶に、しかも少しねじがずれてる感じに表現しようと思うが、できるかな?2011/11/18