講談社文芸文庫<br> 鯨の死滅する日

講談社文芸文庫
鯨の死滅する日

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  • サイズ 文庫判/ページ数 692p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784061961647
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

〈滅びるにしても、いわば抵抗しつつ滅びるのでなければならず、終末観的な想像力の発揮のうちにこそ、人間の最終の希望はあらわれるのである。〉との甦りへの願い。戦後、22歳で作家となり、今36歳となった著者は1970年の時代状況と文学に対し真摯な発言を続ける。己れの文学の軌跡15年を“総括”し、新たな再生を期した三部作「全エッセイ集」の最終巻。文芸文庫版定本。

目次

第1部 状況と想像力(おもてを伏せてふりかえる―わが戦後;死滅する鯨とともに―わが’70年;敗戦経験と状況71 ほか)
第2部 〈沖縄ノート〉以後(核基地の直接民主主義;怒れる死者のメッセージとともに;沖縄・インド・アジアの旅 ほか)
第3部 アメリカ旅行者の夢(地獄にゆくハックルベリィ・フィン;コンピューターの道徳性;不可視人間と多様性 ほか)
第4部 架空聴講記(ピラトに訊ねられて;寛容のパラドックス;小さい魚の手がかり;乱世・泰平の想像力 ほか)
第5部 文学者たちとぼく自身(ほんとうの教育者としての子規;広津和郎における知識人の死;若い白鳥;中野重治の地獄めぐり再び;林達夫への侏儒の手紙;モラリストとしての伊丹万作;野間宏は発展的に持続する;堀田善衛の遍歴する魂;安部公房的存在論;安岡章太郎の跳躍とヴィジョン;高橋和巳と想像力の枷;ここにヘンリー・ミラーがある;ノーマン・メイラーの持続性;文体の算数;核時代のエラスムス ほか)