講談社文芸文庫<br> 一個・秋その他

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講談社文芸文庫
一個・秋その他

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  • サイズ 文庫判/ページ数 315p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784061961210
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

野間文芸賞、芸術院賞両賞受賞の短篇集『一個その他』から、世評高い作品集『カレンダーの余白』『青梅雨その他』『雀の卵その他』、そして川端賞受賞の『秋その他』に至る短篇の名手・永井龍男。その晩年の短篇集の中から、「一個」「蜜柑」「杉林そのほか」「冬の日」「青梅雨」「雀の卵」そして名品中の名品「秋」など14篇の短篇の冴えを集成。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ω

39
恐ろしく感動した既読の「青梅雨」や「冬の日」を凌ぐものはないかなー。 この中では「いてふの町」傲慢な老人の自己満ワールド。「谷戸からの通信」永井の胃潰瘍手記。辺りが面白いω2020/12/18

ステビア

19
いやあ、本当にうまい。克明に目に浮かんでくる情景描写が素晴らしい。大好きです。2014/09/26

みや

7
短篇14作収録。著者自ら創作上の心がまえとして課していた抑制が作品に如実に現れている。曰く「地味に、素直に、あたたかく、かつたかぶることなく」。余計な付けたしがないから、死や孤独といった人生に常につきまとう背景がぼやけない。それらに対する著者の視点は、神田生まれの江戸っ子らしく洒脱かつドライ。それゆえもたれることなく心に染み入る。淡々とした会話に総毛立つ『青梅雨』、死の身近さを匂わせる『秋』は再読必至の名作。2020/02/02

kurumi

5
秋の暮れに、縁側でただ景色を眺めて郷愁を感じる。そんな情景が浮かぶ、1つ1つの短編が、真に迫って美しい。青梅雨は、その中でも特に一線を画していたと感じる。一家心中の前に、間延びしたあくびがでそうな会話をする家族。若い女は安心しつつも、死に対しての恐怖が垣間見えた時の鋭い感性が、これから来る安らぎと少し相容れなくて、逆に人間の情緒が上手く描かれていた。とにかく柔らかな風が吹く秋頃に読んで正解な文学でした。2021/09/14

雋多郎

5
文章が丁寧且つ精緻。彼の描写には色がある。特に『蜜柑』という一篇の道路に蜜柑が散乱しているシーンの描写は永井龍男ならでは。2014/07/16

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