内容説明
子守り男に背負われて見た、花の下での葬式の光景。保養先の鞆ノ津で、初めて海を見た瞬間の驚きと感動。福山中学卒業と、京都の画家橋本関雪への入門志願。早稲田大学中退前後の、文学修業と恋の懊悩。陸軍徴用の地マレー半島で知った苛酷な戦争の実態。明治三十一年福山に生れて、今九十二歳の円熟の作家が心込めて綴った若き日々・故郷肉親への回想の記。
目次
〓肋集
半生記
南航大概記(昭南日記;旅館・兵舎;犠牲;戦死・戦病死;疎開記;疎開日記)
早稲田界隈(牛込鶴巻町;坪内逍遙先生;早稲田界隈)
人と作品
年譜
著書目録