講談社文芸文庫<br> 鶴

講談社文芸文庫

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  • サイズ 文庫判/ページ数 306p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784061960893
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

敗戦直前、旧ソ満国境の平原にとり残された監視哨で望遠鏡を覗く一日本軍監視浜の孤独。突然の銃声と、死。虚空に飛び立つ一羽の鶴の形象の鮮かさ―。苛酷な戦場の生と死を静謐な抒情の高みに昇華させ衝撃的感銘を与えた名作「鶴」「張徳義」「脱走兵」、「ガラ・ブルセンツォワ」他二篇に「赤い岩」収録の全集版編成。現代戦争文学の古典的名著『鶴』。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

空虚

3
あっけなく書き換えられる国境線。日本軍の敗走と俘虜生活までの間延びした時間。空っぽの兵舎、だれでもない人間、どこでもない場所、宙吊りの緩衝地帯。中野重治は著者を「静かに語る人」と評した上で、そのためには「確かに見て」いる必要あると言う。表題作『鶴』に費やされた多くの場面が、息を殺して敵の動静を窺う監視哨なのはただの偶然ではない。けれども、見る者は実は、見られている者であるかもしれない。そして敵はほとんど姿を現さずにいつでも彼らを致命的状況に追い込むことができるのだということを、付け加えねばならない。2015/09/20

doradorapoteti

0
戦争がもたらす諦念とはちょっと違う主人公の冷めた感じがリアリティを出してる2010/03/18

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