講談社文芸文庫<br> 鞄の中身

電子版価格 ¥1,353
  • 電書あり

講談社文芸文庫
鞄の中身

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 301p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784061960817
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

自分の死体を鞄に詰めて持ち歩く男の話。びっしりついた茄子の実を、悉く穴に埋めてしまう女の話。得体の知れぬものを体の中に住みつかせた哀しく無気味な登場人物たち。その日常にひそむ不安・倦怠・死…。「百メートルの樹木」「三人の警官」ほか初刊7篇を含め純度を高めて角編成する『鞄の中身』短編19。読売文学賞受賞。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社トリスタの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

63
短篇19編収録。どこか読み手を突き放したような、無駄のない文体と病的なものをはらんだモチーフ。読者の想像力を必要とする描写。ニヒリズムとダンディズムの抱合。エッセイとはまったく違う、とらまえにくい作家だという印象を強く感じさせる。2017/04/04

ちぇけら

23
他人の鞄の中を盗み見るのは、どんなに親しくても、赦されないことをしている悦びがある。あまりに官能的な。きみは絶対に鞄の中をひとに見せない。肌身離さない。なかにはなにが入っているの?聞くときみは静かに笑うだけでなにも言わないから、好きだ。きみの鞄の中を想像するだけで、からだの芯がじんじん熱くなって、たまらず西の窓をあける。あなたの死体よ。きみが言ったらぼくはどうするだろう。きっとそのままベッドに倒れこみ、きみを強く強く求めるだろう。しかしもう、そんなことはできまい……。ぼくの足元の鞄は、膨らんでいて、重い。2019/07/12

501

15
昭和36年から15年間に発表された19の短編集。どれも人の奥底から染み出してくる淀んだ空気のようなじめりとした感触をもつ。はてなマークがつくのもあり宝探しという感じ。だがその宝にはまるとなんともいえないぞくりとした快感がある。なかでも印象的なのが表題作の‘鞄の中身’で最後の一文にやられた。2017/07/04

i-miya

12
2009.09.04(年譜)T13生まれ、吉行エイスケの長男 岡山市生まれ 母:あぐり、美容師 姉:吉行和子 女優 2009.09.05 物と人間の照応 (1)家庭菜園の茄子の実 (2)玄関のそばに植えた苗木 (3)川の浅瀬の小石 (4)普通のボストンバッグ状の鞄 (5)病院の便所の木製のサンダル (解説)川村二郎 人間は物より優位に立っていない 吉行淳之介は眼の人であると同時に幻視の人である そこに吉行の面目がある  P007 =紺色の実= 庭の隅まで歩いていって女は蹲った  2009/09/06

東京擬態~tokyoGitai

12
やっと読み終えたと云う感じ。内容は充分に面白い。ただ、文体が単調なので始めのめり込めなかった。だが、その単調さが良いのかもしれない。簡潔で単調…それがこの作品群の〈人間の暗部〉を映し出しているのかも。一作品が終わる毎に胸の内に陰が忍び静かに置かれる。生きた分だけの灰汁が滲み出る。罪意識、人の咎が普遍であるからこそ面白く感じる。私が特に好きなのは『流行』--どの作品もそうだが、本質を掴めそうで掴めない、そのぽつねんとした感じが真っ暗な奥底へ続いているようで更に覗きたい気分となる。怖いもの見たさ。人間の性。2012/11/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/537995

ご注意
リンク先のウェブサイトは、株式会社トリスタの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
リンク先のウェブサイトについては、「株式会社トリスタ」にご確認ください。