講談社文芸文庫<br> 白日夢

講談社文芸文庫
白日夢

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  • サイズ 文庫判/ページ数 391p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784061960770
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

16世紀フランス・ルネサンス研究の遙かな彼方に、優れた真のユマニストの眼は、何を見詰めていたのか。壮大、豊麗なラブレーの『ガルガンチュアとパンタグリュエル物語』を全訳し、詳細な注釈を付け、学問とは何かを生涯探求し続けた稀有の知識人の精神。厳しい内省と人間的誠実さが醸す独特のアイロニーと明晰な批評的文体の裡に、“歴史の狂気”を克服する人間の叡智への確たる信頼を静かに語る名エッセイ。

目次

白日夢(日露戦争の思い出;書痴愚痴;魚すき屋の幻;パリ国立図書館の幻 ほか)
あの面影この面影(大学生の先生;アンリ・アンベルクロード先生のこと;辰野隆先生のこと;鈴木信太郎先生のこと;中村光夫氏のこと;飯島正氏のこと ほか)
紙魚の独語(昔のある「造反作家」の話;老眼鏡で見たロマン・ロラン;ブリューゲルとラブレーと私 ほか)
書塵雑録(失われし島を求めて;「胎児監理人」の話;大義名分が怠義冥分であることもある ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネムル

13
一億総玉砕など信じず、万人の有たる書籍を救おうという「悠久の大義」を胸に、多くの本を疎開させるところが好き。疎開しきれずに、幾冊の本を懐に壕にこもるが、そこに陶淵明とラブレーのあるのがまた好き。 2018/11/03

ぜっとん

5
渡辺先生のエッセイ集。まずもって文章がうまいし、聡明かつ謙虚な先生の恬淡とした口調はとてもいい。人の話、夢の話、フランスの話はどれも面白かった。歴史エッセイはわたくし自身があまり知らぬのでほんとうの面白さがわからなかったように思う。2017/01/23

uburoi

1
戦争や家族についての身辺雑記の中にパリの図書館で見かけたレーモン・クノーの姿など混ざる。恩師たちの思い出に次いで第3章は自身の専門であるルネサンス期のフランスについての歴史エッセイなのだが、これがすこぶる面白い。2023/12/23

ご〜ちゃん

0
やわらかい話から、真面目な話まで。相当昔に書かれた文章なのに、今読んでも十分面白い。上手な文章を書こうと思ったら、渡辺一夫の文章を読むと良いのかも知れない。いや、読んで嘆息してしまうかも知れないから、読まない方が良いのかも知れない。2023/09/13

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