内容説明
“如何にして己を知ろうか”フランス象徴主義、ベルグソン、孔子、西行、宣長―。東西古今にわたる「達人」たちの精神の運動を、「観」の目で凝視し「批評」の言葉で語る現代批評の先導・小林秀雄の「無常という事」「西行」「私の人生観」などその精神の精髄を凝集する42篇を収録。
目次
感想(カヤの平;初舞台;失敗;湯ヶ島;文科の学生諸君へ;処女講演;オリムピア;死体写真或は死体について;文化について;秋;年齢)
無常ということ(平家物語;西行)
感想(中庸;喋ることと書くこと;栗の樹;写真;ゴルフの名人;人形;お月見;踊り;花見)
美を求める心(DDT;蓄音機;骨董;真贋;埴輪;徳利と盃;ピカソの陶器;高野山にて;ゴッホの絵)
感想(悪魔的なもの;良心;或る教師の手記;ヒットラアと悪魔;還歴;青年と老年;批評)
私の人生観(信仰について)
人と作品
年譜
著書目録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
95
つい先日、小林秀雄の講演テープを処分しようと思い聞きなおしました。その一つにこの本にも収められている「私の人生観」があったのでこの本を読みなおしました。この本は様々な本に収められている小林のエッセイが少しづつピックアップされていて1冊でかなり楽しめます。「無常ということ」「感想」「美を求める心」などからです。最近の読みやすい文章からすると、やはり読んでいてかなり難しいことを書いているという気がしました。2023/04/17
fseigojp
16
カセット文庫で栗の樹を、名優山本学が朗読しておりました。無常ということ、当麻なども朗読されており、実はこの朗読で小林秀雄にいかれてしまいました。2015/08/07
モリメン
2
死が満ち潮のように近づいてくるという例えが忘れられん!
Kazuma Uehara
2
これだけ質の高い批判ができるのは、ほとんど驚愕に値する。自分ももっと深い思考ができるようになりたい。2015/01/14
瀬希瑞 世季子
1
"自己告白というもの位難しいものはない。而も、文学をやる人は、自己告白という仕事がまず取りかかり易い仕事だという錯覚を逃れ難いのである。(…)人間は自己を視る事から決して始めやしない、自己を空想する処から始めるものだ。"(p.32)2024/02/13