講談社文芸文庫<br> スミヤキストQの冒険

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講談社文芸文庫
スミヤキストQの冒険

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  • サイズ 文庫判/ページ数 476p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784061960060
  • NDC分類 913.6

内容説明

そこは悪夢の島か、はたまたユートピアか。スミヤキ党員Qが工作のために潜り込んだ孤島の感化院の実態は、じつに常軌を逸したものだった。グロテスクな院長やドクトルに抗して、Qのドン・キホーテ的奮闘が始まる。乾いた風刺と奔放な比喩を駆使して、非日常の世界から日常の非条理を照射する。怖ろしくも愉しい長編小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社トリスタの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

67
「党」からの指令によって孤島の感化院に就職したQ。ただその感化院が尋常ではなく…。いや凄いわ、この内容。Q自体はイデオロギーを除けば普通の言動なのだが、感化院内部の登場人物の言動や行動が独特の論理で貫かれていて、まさに奇想小説の域まで達してしまっている。読みながら想像するのはやはりカフカの『城』や阿部公房。独特の感化院の構造からラストまで目が離せない。登場人物の思想や行動は発表当時の社会情勢やイデオロギーを鑑みるに深読みできそうだが、本書を一番楽しむにはやはり著者の言うようにそのままを受け取る事だと思う。2021/04/12

いたろう

38
本日(2014/4/18)開催の奥泉光×いとうせいこう「文芸漫談」のお題となっていたため再読。一見、マルクス主義の諷刺のように見えて、作者自身が言及している通り、この小説の意図は全くそこにはない。奥泉、いとう両氏の『主人公Qが、とんでもないことを色々「体験」するが、「経験」(=知識の蓄積)には全くならない。登場人物たちの浮遊する思弁も全く意味をなさず、言葉も小説の文体も全てイロニーで覆われている。』という話がすごく腑に落ちた。2014/04/18

長谷川透

29
スミヤキ党から密命を受けたQは流刑地のような島に到着する。使命を遂行すべくQは島を調査し島民にコミットを試みるが、Qはカフカ的な不条理に遭遇するばかりだ。序盤こそ『城』の二番煎じ、矮小化された小カフカ作品と思っていたが、島を支配する狂気のイデオロギーが次第に表層に溢れてくる。中盤以降は完全にカフカ作品との決別を果たし、猟奇的観念の暴走とグロテスクな直截的描写の畳み掛けが作品を悍ましいものにする。日常の風刺だの全共闘時代の揶揄だの、作品の批評はいくらでもできるが、まずはこの小説を純粋に楽しめばいいと思う。2013/01/08

Yu。

26
荒廃した社会に警鐘を鳴らすべく主人公Qに課せられた任務は感化院に潜り込み革命を起こす事。。。もう究極にぶっ飛んでます!通常の倫理や道徳が届かない無秩序の秩序が描かれるこの観念の世界で奔走する彼の姿が素敵すぎる超ド級の怪作!!。2016/01/18

有理数

20
最高。なんだかもう凄さまじい世界に引きずり込まれていた。スミヤキスト党員Qが島で出会う、悪夢のようにグロテスクで異形な存在。描かれる人々、描かれる行為、描かれる空間、そのそれぞれが不条理で突拍子もなく異常だ。どいつもこいつも気持ちが悪すぎる。主人公のQは一見真っ当に人間だなと思うけれど、向こう側に時折覗く巨大な思想が他人の思想と摩擦するとき、やっぱり異様で笑ってしまう。あちらこちらをぐわんぐわんと掻き回された気分。どうしてこんなに面白かったのかわからないけど、凄い小説だった。上手く言葉に出来ない。2015/12/27

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