- ホーム
- > 和書
- > 児童
- > 読み物
- > 民話・神話・古典読み物
出版社内容情報
【内容紹介】
「雪三景」には、9歳の息子を京都の寺に出す「つれない思いでしずんでいる」母の、「汗のためか、泣いているためかわからぬぐらいのくしゃくしゃ顔」が写し出される。むろんこれは、作者自身の母の像ではある。が、こうした母の姿には、時代が、社会が、「複雑な化けもの」である人間の正体をむき出しにして、夫を、子を容赦なく奪い、焼き、殺すのに、さからいようもなく、つれなさに沈むばかりだった戦中の母の、深い怨恨が滲み透っている。(本文解説より)――進藤純孝(評論家)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bookcover
1
あれは私が中三の秋。学校で受けさせられた模擬テストの国語で出題された小説文のストーリーがどうにも忘れられなかった。心を閉ざした少年が登場する話なのだが、試験が終わって数十年がたっても、「あの小説の題名は何だろう」と気になって仕方ない。手がかりとなった2文「この理窟はにがい潮だ。貝は蓋を閉じてしまう。」を駆使して検索。ようやく開高健の『裸の王様』だと突き止めた。なんだ有名な小説じゃないか。灯台下暗し。インターネット万歳。ていうか配られた解答には出典が掲載されていたはずだと思うけど。ちゃんと見とけ。2023/08/28