出版社内容情報
【内容紹介】
江西（こうせい）の竜虎山は道教の大本山である。そこの伏魔之殿に昔から封じこめられていた妖魔を誤って逃がしたばかりに、三十六員の天こう星（てんこうせい）がこの世に臨み、72座の地さつ星が下界におりて宋国の乾坤を揺るがす。――梁山泊に屯集して世間を騒がす108人の好漢（おとこだて）の事跡を描く中国四大奇書の1つ、大長編伝奇小説の完訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさかな
7
好きなキャラの元ネタを知りたいという不純な動機で…まだまだ当分出てこないけど。70回本(好漢が終結した辺りで終わる？らしい)、100回本、120回本(100回本より描写が細かいらしい)と三種類あり、どうせなら最後まで詳しく全部よみたいので駒田先生訳の120回本をセレクト。普段は紙書籍派ですが、今回ばかりはkindleのお世話になっています。絶版になってる本を何の苦労もなく買える電子書籍、すごいな。 まだ最序盤なのであれですが宴会の翌日の朝５時からまた酒飲む男達やばいな…という感想です。呉用先生がすき。2019/09/08
Kyo's
3
大昔に7巻の途中で挫折した水滸伝。北方水滸伝完読後の印象も薄まってきたところで再チャレンジ。いや、面白いです。こんなに面白い話だったっけ？登場人物は全体的に思慮が浅い。特に魯智深。でもこんな感じの暴れん坊だった記憶がある。正直、思慮の浅さから成り行きで人を殺して逃げるこいつらを好漢を言われると「好漢」ってなんだろう？と思ってしまいますが、まぁ、時代も違うし、じゃないと話が進まないということで。訳はさすがに古いので読みにくいです。特にたまに出てくる漢語書き下し文みたいなところになるとグッとスピードが落ちます2018/03/30
Pustota
2
まだまだ序盤なので面白いのかどうかもわからないようなレベルだが、好漢という価値観が独特で、いいやつだな山賊だったり人殺しだったりする。言葉が難しくてよくわからないが、風貌もずいぶんおっかなそうだ。彼らを好きになれるかは、この先の物語次第だが、彼らが人気を博するくらいだから、当時はなかなか人々が鬱屈してたのかもしれない。2018/06/16
とらやん
2
調べてみると、昔挫折した水滸伝は平凡社刊の駒田信二訳の物でした。と言うことで出版社は違うけど、同じ訳の物を改めて読んでみました。今回は北方版で人物の肉付けが出来上がっているので、だいぶ読みやすかったです。古い小説は、ストーリーも繰り返しが多く、単調でダラダラと言う感が否めないんですが、それを現代の小説である北方版が補完している形となりました。でも北方版では穏やかで人徳がある魯智深も、こちらの元本では単なる人殺しの生臭坊主だったりします。林冲も土牢に入れられてないし。交互に読むのも、面白いかもしれませんね。2015/06/22
しょう
1
108人の豪傑がそれぞれ個性的でおもしろかったです。豪傑たちが少しずつ梁山泊へ集まっていき、次はどんな人が出てくるのかとワクワクします。ただ、登場人物が多すぎるゆえにせっかくそれそれが個性豊かであるにも関わらず、物語後半になると主要な人物以外は誰が誰だかわからなくなってしまいました。また、物語終盤になると本文や注釈中にネタバレが書かれており、先の展開がわかってしまいます。具体的には「〇〇は〇〇回で死ぬこととなるが〜」という感じです。昔の物語なのでまだ荒削りな部分もありますが、読み終わった後は爽快です。2023/04/03
