内容説明
絵画が色と形の芸術であり、音楽が音の芸術であるのと同じ意味で、演劇は言語の芸術である。それは話す人のいる世界を再現するという点で、文学以上に高度の言語芸術であると言える。〈詩的言語〉に比べて、これまで論じられることの少なかった〈劇的言語〉。今世紀の言語学・記号論の飛躍的発展を踏まえ、ギリシア悲劇から現代劇に至る様々な劇的言語、せりふの類型と構造を定義・分析した意欲的論考。
目次
序論 アイロニーの構図
第1章 モノローグの諸相
第2章 劇作家の臨在
第3章 祝典の言葉
第4章 モノローグからディアローグへ
第5章 沈黙とパロール
結論 言語芸術としての演劇