講談社学術文庫<br> 第二芸術

講談社学術文庫
第二芸術

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  • サイズ 文庫判/ページ数 134p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061580183
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

【内容紹介】
自由な眼と卓抜な発想から下す明確な判断で、つねに論壇に新鮮な刺激を与えつづけてきた著者の、戦後を画した「第二芸術」をはじめとする日本文化論8編を収録。爽快な論理と大胆な提言に貫ぬかれた本書は、その「いさぎよいまでの透明さ」で読む人を魅了すると同時に、現代日本のゆきづまった文化的状況をあらためて見直す上からも、将来の日本文化のあり方を構想する上からも、現実的かつ理念的に多大の示唆を与えずにはおかない。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夏野菜

5
歌作する者の端くれとして読む。八つの短いエッセイが収録されているが、所謂第二芸術論に直接的に掛かるのは掲題の第二芸術と短歌の運命の二つ。俳句や短歌がプロとアマチュアの境が極めて不明瞭で、大家と素人の作品を並べても素人目にわからない場合が多いという指摘は事実。例示した短歌俳句がそれぞれの代表作ではないとはいえ、大家が発表したものであるのは事実。結社内の馴れ合いという指摘はもっともかもしれない。実相観入を離れた前衛短歌運動の意義は大きかったんだと納得。2014/01/22

bibliophage

4
確かに。俳句はコンテキスト無しに成り立つのか?(たぶんです。)漢文は何で習うの?伝統はTraditional からの和製英語。60年前に書かれた評論だけど爽やかな文章に考えさせられました。坂口安吾は「読んでないけど、芸術に一も二も無い…」と、こちらも手厳しい。安吾は読んでると思いました。2022/05/31

トックン

2
戦後論争を呼んだ本らしく読んでみた。前半で桑原は歌人の名を伏せ俳句を10個ほど列挙し、誰の作かワカランやんけとどやしつけ、俳壇などの所謂<壇>なんて中世職業集団(ギルド)で封建遺制に過ぎん!って批判するその舌先で後半部で芸術は分かるやつにだけ分かるんや!二次創作的な素人の手慰みは( ゚Д゚)イッテヨスィてことになり、よくある芸術論やんけって拍子抜けすますた。嫌い嫌いも好きの内的な「結晶作用」ですね。スタンダリアン的に振舞った結果なんかもしれんが。2017/07/13

reiko@SIGNATURE

2
桑原が例に挙げた俳句や短歌は作者の代表作とはいえないもの(つまり、不出来な部類のもの)が多く、わざわざそんな句や歌を取り上げるなんて短詩形に対する愛がないなあ、と感じてしまう。言ってしまえば、桑原と俳壇・歌壇の当事者たちとは、住む世界が違うのだ。にもかかわらず、現代短歌にあれだけの動揺をあたえた本論は、論理展開の甘さを指摘する向きはあるにしても、やはり相応の迫力を持っているように思う。2010/03/31

deltalibra

1
ん、改めて読んでみると俳句論はともかくも道具としての日本語という意味では傾聴すべき論考も多かったり。日付はやや曖昧2011/08/15

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