講談社現代新書<br> 議論のウソ

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講談社現代新書
議論のウソ

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  • サイズ 新書判/ページ数 226p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061498068
  • NDC分類 007.3
  • Cコード C0200

出版社内容情報

少年犯罪は凶悪化しているのか。学力は低下したのか。ゲームは痴呆脳を作るのか。ありがちな“議論のウソ”のパターンに陥るな!ベストセラー『大学生のためのレポート・論文術』で論理の組み立て方をわかりやすく解説した著者が「情報に騙されない」方法を平易に懇切に論じる。

いつも言い負かされてしまう
いつも人の意見を鵜呑みにしてしまう
いつも反論できない
いつも情報に翻弄されてしまう
……そんなあなたに。

「わかりやすさ」のワナ
しかし、わかるということは、単に文字面を追い、それを記憶に留めることではない。それを自分自身の問題として受け止め、かかわってみることである。「わかる」というのは、「かかわる」ことである。(中略)それができないときは、とりあえずわかることを留保することである。「わかる」ことより、「わからない」ことを自覚していることの方が、はるかに重要である。何事にもスピードが要求されてきたこれまでの社会では、すぐに正解を求める。しかし世の中のことは、そう簡単に白黒つけられない。それを無理につけようとすると、どうしても、ありきたりの決まった答えに収まりがちになる。――<本書より>

第1章 統計のウソ――ある朝の少年非行のニュース評論から
第2章 権威のウソ――『ゲーム脳の恐怖』から
第3章 時間が作るウソ――携帯電話の悪影響のうつりかわり
第4章 ムード先行のウソ――「ゆとり教育」批判から
第5章 ウソとホントの境――少し長い「あとがき」


小笠原 喜康[オガサワラ ヒロヤス]
著・文・その他

内容説明

ベストセラー『大学生のためのレポート・論文術』で論理の組み立て方をわかりやすく解説した著者が「情報に騙されない」方法を平易に懇切に論じる。

目次

第1章 統計のウソ―ある朝の少年非行のニュース評論から(統計の魔力を読み解く;少年非行の実態を読む ほか)
第2章 権威のウソ―『ゲーム脳の恐怖』から(「虚偽」論法;科学的よそおいの危なさ―権威に訴える虚偽 ほか)
第3章 時間が作るウソ―携帯電話の悪影響のうつりかわり(電車の中で携帯の電源は切るべきか;携帯電話と医用機器の調査研究―総務省の調査報告の「方針」 ほか)
第4章 ムード先行のウソ―「ゆとり教育」批判から(短絡的な議論;学力は下がったのか ほか)
第5章 ウソとホントの境―少し長い「あとがき」(これまでの議論;「ウソ」と「ホント」の境を越えて ほか)

著者等紹介

小笠原喜康[オガサワラヒロヤス]
1950年、青森県八戸市生まれ。筑波大学大学院博士課程教育学研究科修了。日本大学文理学部教授。専門は、学力論、博物館教育論、教育メディア論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

徒花

313
イマイチ。テレビや新聞などのメディアがよく用いる「グラフの錯覚」「ムード先行」「こじつけ」などが論理的に考えるとどれだけ間違っているかを糾弾し、個々人がそれぞれ考える必要があると論じる本だが、具体例の解説にページを割きすぎ。しかも、「少年犯罪」だの「ゲーム脳」だの「ゆとり教育」だの、いまとなってはなんだか時代遅れ名テーマばかりを扱っていて、いまになって読むと普遍性がない。抽象的な説明の部分もなんだか当たり障りのない、どこかで読んだことがあるようなことが書かれていて、端的に言えば、おもしろくなかった。2016/06/29

♪みどりpiyopiyo♪

60
人間はいとも簡単に誘導されてしまう。メディアにおける議論の問題点を具体例で示し、「情報に騙されない」方法を平易に懇切に論じる書。 ■書棚整理に際して再読。巷で実しやかに語られるトピックを論理的に解きほぐし、矛盾や反証を示して丁寧に検証しているところが面白く、それらを受けての結論も納得感のあるものです。■一つの正解があると信じてそれらしきものに飛びつくのではなく 自分で考えて判断すること、常に情報を集めながら認識を更新し続けること。10年以上前の本だけと、いつの時代にも大事なことだよね。(2005年)(→続2018/05/30

tetuneco

14
「わかりやすさを求める傾向」の危険性を知る。なんでも早く早くと答えを求めてしまうことには、我ながら反省。2011/01/02

きむロワイヤル

7
少年非行の増加やゲーム脳の科学的根拠、ゆとり教育による学力低下の話などの常識と思われる話が実は根拠の薄い(あるいはまったく根拠のない)話であったというようなことがどうして起きるか、そのメカニズムを解説し、いわゆる自分で考えて判断することの大切さを教えてくれる。それにしても、あれだけ叩かれたゆとり教育は、次世代を見据えた教育の在り方の一つの解でそんなに間違った方向性を持ったものではなかったということは驚きだった。2015/11/17

スズツキ

7
面白い。少年犯罪増加、学力低下、ゲーム脳、携帯電話によるペースメーカーの影響など実しやかに語られている現象をデータの取り方などからその論拠の間違いを述べていく。巷での偏見の素になった『ゲーム脳の恐怖』が俎上にあげられているが、これへの反論の仕方は見事。2015/04/08

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