内容説明
美術の極意は「考えるな、食べろ、着こなせ!」そこから発見の旅がはじまる―巨匠は上手か。ウォーホルはポップか。似ていることは悪いのか。常識を解体し「地球美術史」の地平を新たに開く快著。
目次
1 美術の極意―「オンナ・コドモ」美術史
2 「モナ・リザ」になる―空装美術史
3 巨匠はみんな下手だった―ヘタくそ美術史
4 アンディ・ウォーホルはポップではない―アメリカ現代美術史からアメリカ未来美術史へ
5 似ていることはいいことだ―地球美術史
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
120
普通の美術史の本だと思ったら、結構ある意味では面白い本でした。まじめな人にはだめかもしれません。アンディ・ウォーホル論やシンディ・シャーマン論は楽しめます。ある意味皆が評価していて同じようなものというのはあんまりおもしろくないのかもしれません。2016/06/19
まろまろ
5
森村さんの展示会を目にして興奮のあまり購入した本。美術鑑賞が苦手だった著者が行き着いたのは美術を着こなすことだった。代表的な作品は「モナリザ」、森村さん自身がコスプレをしてモナリザになりきるわけだ。完成までの調査研究や体を張った試行錯誤は、通常の鑑賞と比べてより深く絵画を掘り下げているのだろう。美術史を「自由であること」へと踏みはずすことに充分成功したといえる。2014/07/22
MM
5
なぜこの美しいオジサンは女装してポートレイトを撮りまくるのか??ということがものすごく論理的に、読みやすい文章で書かれていて、それが美術史上の必然であるということがよくわかった。2014/06/30
m
4
図書館のリサイクル本。この人新鮮な切り口でおもしろいなぁ、と思いながら読み進めていたが、ただの変な人だった(笑)自分でモナリザになっちゃうのね。新しいものは受け入れるのに抵抗がある。2018/01/19
菜生
4
初めて森村さんの文章を読んだけれど、想像していたよりとても面白かった。最後の章の「似ていることはいいことである」という発想はとても興味深かった。確かに、個性も大切だと思うが、作品にどこか共感できるものがあると私たち鑑賞者はより美術を身近に感じることが出来るのだと思ったから。丁度森村さんの展示会が都内でやっているから見に行こうと思う。2010/04/12