講談社現代新書<br> 「民族」で読むアメリカ

講談社現代新書
「民族」で読むアメリカ

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  • サイズ 新書判/ページ数 241p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784061490994
  • NDC分類 334.453
  • Cコード C0230

内容説明

「アメリカ人」はどのように形成されてきたのか?最初の植民以来、世界史転換のたびに大量移動する人々を受け容れ、成長してきた多民族国家の歴史と構造に迫る。

目次

第1章 植民地としての出発
第2章 征服と奴隷化
第3章 自由移民の大流入時代
第4章 移民制限への道
第5章 移民エスニシティとアメリカ社会
第6章 黒人革命
第7章 現代アメリカにおける移民流入
第8章 サラダ・ボウルかメルティング・ポットか?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

SOHSA

38
《図書館リサイクル本》最近、トランプ大統領の発言で注目されているメキシコとの国境の壁の建設や日本における外国人労働者の受入れ問題などが契機となって、改めて移民の国と言われる米国の歴史と変遷について興味が湧き、本書を手にとった。恥ずかしながら学生時代の授業で習った「米国は人種のるつぼ」という以外に米国の民族問題についての知識が全くなかった。それどころか実はるつぼ(=メルティングポット)ではなくサラダボールなのだという主張があったことさえ知らなかった。本書は米国の建国前からの歴史と(→)2019/03/21

サアベドラ

22
アメリカにたどり着いた人達の履歴書。1992年刊。当然のことだが、有史以前に北米大陸に到達したネイティブ・アメリカン以外、すべてのアメリカ人はそれぞれある時期に他の土地から来た人々である。彼らが「いつ」「どこから」「なぜ」来たのかを扱う本書は、アメリカ史であると同時にグローバル・ヒストリーでもある。また、移民を扱う以上、彼らのエスニシティの問題、いわゆる「メルティングポットかサラダボウルか」の議論も避けては通れないが、本書はこれらを新書サイズにしっかりおさめている。欠点は古いのと文体が単調で退屈なところ。2018/06/21

印度 洋一郎

4
アメリカの歴史を「民族(正確には民族集団。アメリカの民族はほとんど移民の集団であり、地縁的属性を持たない)」に着目して概観する。先住民を排除し、建設されたイギリスの植民地として出発したアメリカは最初から移民の社会だった。その後も次々と移民、そして奴隷がやってきて、民族集団が重層的に形成されるアメリカ社会が成立する。その構造は、「後から来たものが最下層」というピラミッド型で、新参者が入ってくると、その都度序列が繰り上げられる。20世紀に入ると黒人の公民権運動で大きな地殻変動が発生し、複雑な構造になっていく。2022/03/29

takashi1982

2
「移民」で知る「アメリカ史」と言えば分かりやすいだろうか。メイフラワー号に乗った建国の父たちやポカホンタスらネイティヴアメリカン。そして奴隷貿易の末やって来た黒人たち。アメリカ史はその時々の移民によって特徴づけられるということがよく分かる。WASP以外のアイルランド系移民、中欧・東欧からの移民が「白人」ではありながらどういう位置づけだったのか、など初めて知ることも多かった。むろん、20世紀に入るとアジア系・ヒスパニックなどが登場するし、メルティングポットかサラダボウルかという議論も考えさせられる。2014/10/27

メコノプシスホリデュラ

2
去年の夏ごろ読んでなぜか最終章辺りを残していたのを読了。ヨーロッパ系の移民史にとくに興味があるので、エスニック別移民史、白人系エスニック集団の社会的上昇の軌跡(中産階級的ユダヤ系は適応が容易で、非経済的価値観をもったアイルランド系は遅れたことなど)、第一世代から第四世代に至るエスニシティの変化、1924年の移民制限法(なお日系移民はここで完全に規制された)、インターマリッジ(エスニック間の婚姻)の進展など、得るところが多い。またインディアンへの対処がアングロアメリカ、カナダ、ラテンアメリカで異なることも。2014/01/11

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