講談社現代新書<br> 「生」と「死」のウィーン―世紀末を生きる都市(まち)

講談社現代新書
「生」と「死」のウィーン―世紀末を生きる都市(まち)

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  • サイズ 新書判/ページ数 217p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784061490451
  • NDC分類 234.6
  • Cコード C0225

内容説明

近代と脱近代、ウィーンは2つの世紀末に踊る。赤裸々な死への憧れ。ユダヤ文化人の尖鋭な自己愛憎。夜の女や絵画・建築に息吹く秘めやかな生命。そして、脈動する〈中央ヨーロッパ〉への見果てぬ夢。古くて新しい都市のアンビバレントな魅力を大胆に切りとる。

目次

第1章 「美しき亡骸」ウィーン
第2章 19世紀末のユダヤ人
第3章 ダブルモラルを生きる女たち
第4章 ハプスブルグの落日
第5章 そして、もう1つの世紀末

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえ

6
1989年4月1日、ハプスブルグ家最後の皇后ツィタの葬儀の美しく詳細な描写から始まる。このツィタがカプツィーナ教会のカタコンベに埋葬され、以後は如何なるハプスブルグ家の一員もここに埋葬されることはないという。更にウィーン中央墓地に眠る著名人たちや、ウィーン大学の死の芸術家たち、アラブゲリラによって血の海と化したシナゴーグ等について言及していく。「戦争責任について学校教育の徹底しているドイツと比べ、オーストリアでは戦後半世紀近くたった今もなお、ユダヤ人問題を消化するどころか、触れることすら憚られ」るという。2022/11/04

富士さん

4
再読。特段感銘を受けるというものではないのですが、墺洪二重帝国ファンにはうれしい一冊。主に20世紀初頭のウィーンの風俗を現在との関係で描いたエッセーのようなものですが、流行する自殺や人種差別、神経症やペドフィリアのようなテーマは、L.ヴィトゲンシュタインやA,ヒトラー、S.フロイトやG.クリムトのような人を生んで世界史的な存在感を示すウィーンという街と、この国をよく表現しているのではないでしょうか。そもそも文化なんてものは社会の腐臭、清く正しく美しいものが欲しいならよそへ行け、と改めて思います。2016/09/16

いぬ

0
Schöne Leich:格式ある葬儀のこと:美しき亡骸 Leichenschmaus:葬儀のあと親族一同が集い故人を偲びながら行う会食:亡骸の会食 2016/07/07

Naota_t

0
本書のおかげでその地理と、歴史、風土に興味を持つことができました。 オーストリアって第一次世界大戦の印象しかありませんでした…(^^;著者は、高校卒業後ウィーンの大学へ進学し修士課程を修了する。その後、建築アトリエで働いた後、帰国し日本の建築事務所に従事する。そんな著者が、ウィーンを「生と死」の観点から紹介してくれる。なんか読んだ感じでは、ポップなイメージは一切合財なく、ちょっと重厚で仄暗いイメージばかりがしたなぁ…実際はどうなんだろう。ちょっとマニアックなヨーロッパ旅行がしたい人にはお勧めな一冊かも。2014/10/03

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