講談社現代新書<br> シャーロック・ホームズの推理学

講談社現代新書
シャーロック・ホームズの推理学

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  • サイズ 新書判/ページ数 191p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784061489226
  • NDC分類 116.1

内容説明

初体面の相手と握手をした瞬間、どこから来たか、何者かを、ホームズは常に見抜いていた。快刀乱麻の洞察は、想像力を駆使した「成功の確率を高める」方法に支えられる。ホームズのめまぐるしく動く頭脳の内部へ誘い、真実解明への論理過程をあざやかに解きほぐす。

目次

ホームズと確率論的方法(ホームズとワトスンとの出会い;観察と推理;消去による推理;ミルにおける帰納、演繹、仮説;分析と総合 ほか)
ホームズの推理の諸相(仮説形成の論理;ヒューウェルの帰納論;ホームズの複合的推理;ホームズの複合的推理;ホームズの論理的センス ほか)
ホームズとダーウィン(進化論と科学的方法論;ホプキンズのダーウィン批判;確率論的方法と進化論 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ワッピー

40
読み友さんの感想から。ホームズの推理手法を論理学から分析していくというもので、ハーシェルやミルの古典論理学ではなく、当時最新のジェヴォンズの考え方と重なるところが多いとのこと。ホームズの発言を例にしつつも、論理学そのものの手法に踏み入っていくため、理解が迷走。最後のダーウィンの「種の起源」の発想法とそれに向けられた批判は面白かった。一見手に取りやすい新書、ホームズという例示、平明な語り口にもかかわらず、論理デバイスがないと思われるワッピーには難解でした。ただし、ホームズ・ファンなら大いに楽しめる本かも。2021/01/06

Ecriture

13
読み応えの塊。ホームズと記号論と言えばシービオクだが、著者は記号論よりも狭い範囲を扱う論理学によってホームズの推理法をより精緻に分析することに成功している。シービオクはパースのアブダクションとホームズの推理の共通点を提示するに留まったが、著者は19世紀の論理学・科学観の変遷を辿る。帰納的方法による科学的知識の進歩と科学の確実性を信じたミル、ハーシェル、ヒューウェルを経て蓋然性や仮説法、確率論的方法を取り入れていくデ・モーガンやジェヴォンズらの研究の流れの上にホームズを位置づける。2013/10/30

袖崎いたる

10
ホームズのやり方を論理学や科学哲学の方から眺める態度。ホームズ自身が作中にて推理学の構想をワトソンに語っていたものだったが、本書はその線で読むにはおそらく基礎論的な性格が強い。どちらかといえば科学哲学エッセイ。2017/11/21

鐵太郎

6
でもね、同じ文章を技術者が見て、あるいは文学者が、あるいは美術家でもいい、他の分野に立って考察をなす人が見て、彼らの新しい視点で 「ホームズ譚はこういう解釈ができるのだ。今までのシャーロッキアンがわたしのような視点で見ることができなかったのは、自慢できることでは無かろう」と言う事もできると思うのです。  それを聞いても許容できるのなら、この本もまた面白いホームズ解説の一つと言えるのでは無かろうか。2009/12/28

春風

5
ミスターホームズを読んだ後、BOOK ◯FFで¥108なのを見つけ購入。気楽に読み始めたが、本格的に論理学の話が出てきてついていくのが大変だった(汗)ホームズの言動から、その推理形式を考察していき、最後には同時代の科学であるダーウィンの進化論もホームズの推理形式を混じえて読み解いている。内容もさることながら、論理展開自体も勉強になる。本書、力づくで読み上げた感があるため、再読必須。2015/04/28

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