講談社現代新書<br> イスラムからの発想

講談社現代新書
イスラムからの発想

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  • サイズ 新書判/ページ数 196p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061456297
  • NDC分類 167

出版社内容情報

【内容紹介】
神はアッラーの他になく、マホメットは神の使徒なり――イスラムに近づく鍵は、この唯一絶対神の重みである。結婚式の前に離婚の条件を取りかわす“エンギの悪い”習慣、無神論者を自称すると、人間扱いされなくなる、親しさに応じて定価が変わるという商人のモラル、ボクラ(明日)とは、無限に続く未来の一日のこと……など、日本人の常識とは180度違った、まったく不可能な世界である。しかし、何がタブーか何が常識かを知り、それを尊重しなければ、この世界では、ビジネスの成功はおろか、人間としても認めてもらえない。本書は、理解が至難のイスラム世界を、感情ぬきで知るための「イスラム教徒とつき合う知恵」の書である。

インシャラーの世界――我々の大半は、「なせばなる!」というモラルを持っている。だから、ことが成らなかった場合、「ならぬは人が、なさぬなりけり」であるとして、自他を問わず、「人間に対してだけの責任」を追及しはじめる。ところが、イスラム世界の人びとは、原則として「人間限界主義者」であり、ことが成らなかった場合も、「ならぬは神が、なさぬなりけり」と考えてしまう。そして、この精神構造の差が、イスラム世界で仕事をする日本人にとって、現地人とのトラブルの大きな原因になるのだ。だが、「なせばなる!」主義を振りまわす日本人は、イスラム教徒から見ると、人間の分際でありながら、やろうと思えば何事もできるのだと、まるで神であるかのごとく思い上がっている連中だ、ということになる。――本書より

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

氷柱

7
397作目。4月3日から。文章から作者の気さくな感じが伝わってくる。イスラム圏の話ではあるが、テーマはもっと深い所にあるように取れる。文化による精神構造の違いや善悪の出発点が良く記されている。人と人は話し合うことで分かり合えるなんていう幻想は捨てるべきなのかもしれない。常識なんて風が吹けば飛んでしまうような微々たるものでしかない。ただし特定の文化圏では揺るがないものとして凄まじい効力を発揮しうる。2018/04/06

nchiba

1
ずいぶん前に一度読んだものを再読。イスラムを理解するのは難しい。ということがわかったってところか。2010/07/15

アキコ

0
イスラムを知るための一冊ですが、異なる文化と関わるときに非常に参考にある”考え方”が書かれています。p7の『「異なる世界」というものは、「理解」どころか「認識」の段階へさえ、容易には進めないものである。』と、p140の『「理解」の前には、まず、「認識」がなければならないのであり、そのためには「感情」という次元は極力おさえなければならない。』が印象的。相互理解というものは理想であり、異なる生き方をしていった人とは結局のところ「わからない」ものであって、かろうじて「認識」に至ることが出来ればいいと感じました。2015/10/14

結季

0
イスラムでは宗教が生活そのものであり、そのことに対して自覚的。理解の前に、まずは「違い」を認識することが重要。2013/02/17

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