内容説明
医学的に脳死と診断されながら、月明かりの夜に限り、特殊な装置を使って言葉を話すことのできる少女・葉月。生きることも死ぬこともできない、残酷すぎる運命に囚われた彼女が望んだのは、自らの臓器を、移植を必要としている人々に分け与えることだった―。透明感あふれる筆致で生と死の狭間を描いた、ファンタジックな寓話ミステリ。第二十二回横溝正史ミステリ大賞受賞作。
著者等紹介
初野晴[ハツノセイ]
1973年静岡県出身。法政大学工学部卒。2001年に『しびとのうた』が横溝正史ミステリ大賞最終候補作となる。2002年には、『水の時計』で第二十二回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビュー。ファンタジックな世界観とロジカルなトリックが魅力のミステリ作品を生み出している
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