出版社内容情報
野上彌生子(海人丸;山姥;森(抄) ・ 円地文子(女坂;源氏物語私見(抄)) ・幸田文(黒い裾;おんな十二カ月;建てる;音;みそっかす(抄))
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
niki
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円地文子『女坂』圧巻。女の性(さが)の究極を描いた作品だと感じた。こんな作品は今後生まれないと思う。 時は明治、夫の命で、夫の妾を探すために上京する妻の描写から始まる。設定を受け入れられないままどんどん読んだ。 嫉妬なんて簡単な言葉では表せられない。若さと老い、豊かさと貧しさ、うまずめ、学歴、美貌、品格、あらゆるものが散りばめられている。家を守り、命をつなぐことの苦しさ。この続きを読んでみたい。/『女坂』を読みたくて借りたが他の作品も全て読んだ。野上彌生子は力強い。幸田文は感性の鋭さを感じた。2022/11/04