内容説明
日本の大学は今や「冬の時代」を迎え、私立大の40%が定員を割っている。この危機の中、多くの大学は「市場原理」を導入し、過剰な実学志向と規模拡大化に救いを求めている。この現状は学生を真の「学び」へ導くのか?大学の社会的使命とは何か?最も信頼できる論客が、大学の原点に立ち帰り放つ、画期的教育再生論。文庫化に際し、文科省国立大学法人支援課長・杉野剛氏との「大学の行方」をめぐる新対談も追加収録。
目次
第1章 ニッポンの教育はどこへ行く
第2章 入試の風景
第3章 ウチダは何を教えているのか
第4章 大学がつぶれてしまう
第5章 どこも大変なことになっている
第6章 神戸女学院大学が生き残る道
第7章 研究者に仲間入りするためには
第8章 日比谷高校、東大全共闘の人々
第9章 一九六六年の日比谷高校生・吉田城と新井啓右の思い出
第10章 文部科学省訪問記―高等教育局私学行政課長・杉野剛さんとの対話から
第11章 大学教育の未来―二〇一〇年八月 文部科学省国立大学法人支援課長・杉野剛さんとの再会記
著者等紹介
内田樹[ウチダタツル]
1950年東京生まれ。神戸女学院大学文学部教授。東京大学文学部仏文科卒。都立大学大学院博士課程(仏文専攻)中退。専門はフランス現代思想、武道論、映画論など。古武道とフランス現代思想に精通した独自の視点で注目を集める。『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書)で2007年小林秀雄賞受賞。『日本辺境論』(新潮新書)で10年新書大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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