角川文庫<br> 冬の巡礼

角川文庫
冬の巡礼

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  • サイズ 文庫判/ページ数 300p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043429011
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「おふくろに届けてくれ」坂倉博光は、そう言い残して数日後、謎の死を遂げた。託されたのは位牌だった。鈴木克宏は遺言めいた品物を手に、坂倉の故郷を訪れた。ところが、そこで予期せぬ危険に晒される。鈴木は位牌に秘められた謎を求め、坂倉の過去を辿っていくのだが…。一度かぎりの過ちで滅びていく男たち。数え切れない哀しみを耐え忍ぶ女たち。立ちこめる雪煙の中で、人生を捨てた男が策謀の渦に身を投じていく長編ハードボイルド。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

背番号10@せばてん。

25
【1995_このミス34位】1997年12月16日読了。あらすじは忘却の彼方。1997/12/16

辺辺

16
再読。心情描写が殆どないにもかかわらず、情景描写と言動描写だけでこれだけの物が描けられるのが凄い。人間の外見から内側にある本質を鋭く見抜いてる。主人公が度重なる謎の真相を突き止めようとする男たるものの正義感がひしひしと伝わってくるのに、対して、金に目を眩んだ人たちの姿が滑稽な程哀れだな。結局、主人公は散々な目にとことん遭い、一銭も得ずして終わった。う~む、ハードボイルドですね。主人公の外見についての描写が一切ないけど、想像するにかなりできる男であるには間違いないが、それでも美人局に墜ちるのは男の性か?笑。2019/07/04

辺辺

10
これぞ、正統派なハードボイルド作品。志水作品は格調高いというのも頷ける。これほど人間の本性をユーモアを交えながら皮肉ってる作品はそうはいない。しかも殆ど心情描写がないにもかかわらずに、だ。「アラーの戒律がアラブ人ひとりひとりにはきわめて寛容であるように、よきキリスチャンにもときどきお伊勢参りが必要ということらしい。」「ニコニコ笑ってるしかない絶望もあることをわたしは知っている」心に響く名セリフが盛り沢山。しばし、このえもいえぬ余韻に浸っていたい気分だ。2017/04/22

たーくん

8
再読→→→彼はなぜ自分に位牌を母親に届けてくれと言ったのか。雪降る飛騨高山を訪れた鈴木克宏。一度かぎりの過ち。数えきれない哀しみ。立ちこめる雪煙のなか、男は背いてきた人生と対峙した。長編ハードボイルド。2019/03/26

M

1
父に貰った本(22)。あまりにも時間をかけ過ぎて、誰が誰だか途中で分からなくなってしまった。とにかく裏切りや騙し合いが多くて、こんなにも安心できない人間関係って…とぐったり。それぞれの人に穏やかな毎日は戻ってくるのだろうか。2020/02/10

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