内容説明
198X年11月22日、東京銀座で開催された「虹のパレード」の最中、アイドル歌手の加瀬葉子が殺された。主催者〈ラジオ中央〉の源田は20数年前起きた悲劇との相似に慄然とする。直前でのパレード順路変更、オープンカーへの狙撃―それは、20数年前の同日アメリカのダラスで起きたケネディ暗殺事件にそっくりだったのである。さらに当時、葉子の父親で社長の加瀬修造と現総理の城之内が渡米中であった事実に着目した源田は部下の榊原と共に独自の調査を始めるのだったが―。歴史の暗部と日米の謀略をスリリングに描いて衡撃を与えたデヴュー作、待望の文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
76
作者デビュー作品。ケネディ大統領暗殺事件と、同じ条件下で銀座をパレード中のアイドル歌手が射殺される。幾つものシリーズが在る作者だが、本作は単独作品である。ケネディ事件の考察、一つの真相として日本に滞在していた頃のオズワルド迄、話を掘り下げている事は驚きだ。さらにはその暗殺を映した映像に、隠されたもう一つのフィルムが存在し、日本の闇が関わってくるという設定の深さには、作者の取材力や思い入れを感じる事が出来る。サスペンスとしての盛り上がりは良いのだが、謎の鮮烈さが欲しい上にやはり主人公の魅力は大切だと思う。2018/07/04
経る時
0
1994/12/01
みるく抹茶
0
サスペンスに欠かせない、緊張感がすごい。作者のお気楽な「○○温泉殺人事件」とかも好きだけれど、スタートはこれだったんだよなあ。2012/09/10
Kei Kobayashi
0
昨日、吉村先生が亡くなられたということで再読。この作品のあとに200作以上の作品を作られた先生には申し訳ないですが、やはり私は、この処女作「Kの悲劇」こそが吉村達也先生の最高傑作だと思っています。2012/05/15
Kei Kobayashi
0
処女作だが、この本は未だに、吉村達也の最高傑作だと思う。2011/09/12