内容説明
紀元前三世紀。秦王〓政=始皇帝は、悲願の天下統一に向けて並々ならぬ執念を燃やしていた。秦王〓政と幼なじみだった趙姫は、王に惹かれる一方で、手段を選ばぬ残虐な戦を繰り返す王の手が、故国である趙にまで及ばんとしていることを愁いていた。そんな中、趙姫はただならぬ気配の男に出会う。その名は荊軻。複雑な過去をもつ暗殺者。趙姫は男に次第に惹かれていく。そして、運命の矢は放たれる…!始皇帝をめぐって繰り広げられる、一大歴史スペクタクル。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三代目 びあだいまおう
280
中国史の中でも私の大好きな『三国志』『水滸伝』よりも遥か昔、広大な中国を史上初めて統一した秦の始皇帝。紀元前三世紀、日本では弥生時代と呼ばれる頃の絶大権力をめぐる一大歴史スペクタクル!一巻の小説に30章を越える場面展開を押し込んだ分各章は浅めだが、読み手に伝わる展開は映像的。権力を握る者の心の変遷と、疑心からくる孤独。重圧から逃れる為の徹底した非道!かつて愛し合った男と女の切ない心の変遷。人を信じられぬ権力者に、人を信じ抜く我々は所詮敵わないのか?人間の誇りと意地と、後悔と痛みに彩られた隠れた名作‼️🙇2020/08/02
ゆ☆
8
アニメキングダムをAmazonプライムビデオで観れる所まで観た後軽いロスになってたところ、我が家の本棚にこの本があるのを発見。いつ誰が買ったのか分からないけど、政がここにもいる事が嬉しくて読み始める。呂不韋や太后のやり取りや、趙への恨みなど、キングダムとは違うけど重なる部分があってそこは面白かったんだけど…恐ろしい刺客が急に恋した感じになるのも、趙姫の心変わりも、今ひとつ理解できない。登場人物に感情移入できなかった。どうやら映画のノベライズらしいけど、ノベライズってこんな感じなのかしら。2020/08/20
鐵太郎
7
昔ハードカバーを図書館で読んだときは、それなりに面白かったのですが、歴史解釈としては無理があるなと思ったものです。この本が、同名の映画とのタイアップで書かれたものであることは、その当時知りませんでした。BSでこの映画が放映されたとき、全くこれを忘れてそれなりに楽しんだのですが、改めて本を探して読んでみました。歴史冒険ものとして面白いよ、これ。2006/11/08
月守青蓮
6
秦王が始皇帝となっていくことで失った代償が、物凄く大きかった。最初は趙姫が好きじゃなかったけど読み進めると共に好きになっていた。読んでおいて良かったなあと思えた小説でした。2009/08/30
Artemis
4
秦王の理想は理解出来る。国同士の争いがなくなれば民草は生きやすくなる。元々誰の所有物でもないんだし。ただ、自分のために何かを奪い始めると、失うことを恐れるようになるのかも。2013/03/03