内容説明
ひそやかなノックの音がする。深夜、シーズンオフのライン川ぞいのホテルの部屋。綾有里子は不安に襲われた。この不安が、これから先に起きる恐ろしいでき事の予兆であるとは…。麻布のレストラン『つぐみ亭』の女主人有里子は、毎年ワインロードを旅してワインを買いつける。今年は弟夫婦と店の常連の早川教授がひきいるツアーといっしょであった。心にそれぞれの炎を秘めて人々は葡萄街道を下る。爆発のときが刻々と近づく…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
トロピカ
2
時代ものではない平岩弓枝さんは初。人物の言葉遣いに時代錯誤を感じるなあと思ったら初版が昭和だった。タイトルに「殺人」とある割にはなかなか人が死なない…と思ったらいきなり死体が出てきて「わ!」となる。最後に近づくにつれてスピード感が出てくるけど「へえ~、ふ~ん」といった感想です。2022/02/11
0010
2
ワインが好きなので読みました。かなり暗く、寂しいエンディングです。人が人に頼り、頼られて生きなければいけない幸福と葛藤と嫉妬をワインにのせて話にしています。2015/08/24
びん
1
人の孤独が描かれていて、おそろしいストーリだけど、ドイツのワイン街道という舞台のためか、香り立つ華やかな一冊でした。2013/10/15