内容説明
浅見家では正月にカルタ会が催される。その席で浅見光彦はカルタ界の女王朝倉理絵に辛勝した。勝敗を分けたのは理絵が執着した一枚の札。理由は彼女の父親が三年前に“末の松山”の松の下で殺されたからだった。しかも事件は未解決のままで、父の手帳に書き込まれた「白浪、松山を越ゆ」が唯一の手がかりだという。真相を追って浅見は宮城県へ赴くが、そこでは十二年前にも歌枕にまつわる殺人事件が発生していた。古歌に封印された謎を手操って名探偵浅見光彦がふたつの難事件に挑む。旅情ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんた
10
震災前の仙台多賀城、福島いわきが舞台。罪滅ぼしに隠れてダメ息子をかばい続ける親はよくあるストーリー。1000年に一度の大津波も多賀城の末の松山は越えなかったらしい。震災前の東北舞台の本をもっと読んでみたい。2015/10/03
Kiyoshi Utsugi
4
内田康夫の「歌枕殺人事件」を読了しました。 浅見光彦シリーズの一つで、宮城県、福島県を舞台の中心とした作品です。 お正月に浅見家ではかるた会が行われるのですが、そこでかるた会の女王である朝倉理絵に浅見光彦が辛勝します。 その時に浅見光彦が知ったのは、朝倉理絵の父親が三年前に、宮城県多賀城市にある末の松山の松の下で殺されたということです。 父親の手帳に書かれていた「白浪、松山を越ゆ」というメモを手掛かりとして、浅見光彦と朝倉理絵の二人が事件を解き明かします。2019/06/02
Oh!やまびこ
3
読了記録。
nob sat
2
また再読しました。この本は、ミステリー、つまり謎解きものなのですが、2011年3月11日以降は、読者が正答を知っているのに、作者が知らないという珍しい作品になりました。この本でいう歌枕は宮城県多賀城市にある「末の松山」。ミステリーの出発点は、「契りきな、かたみに袖をしぼりつつ、末の松山、波越さじとは」という百人一首の歌であり、多賀城の「末の松山」が海岸線から遠いので、ほかにふさわしい海に近い「末の松山」があるのではないか、と疑っている人がいるということであった。しかし、この歌が貞観地震による津波を記録した2013/03/30
チャーシュー
1
歌枕って言葉すら知りませんでした。いつもながら勉強になります。楽しく読めました。2016/06/14