内容説明
強風とカラスに大襲来された神津島。わはははは笑いと唄が湧き出る南九州の温泉。富士山を前に“人生の締切り”について考えた元日の朝。こよなく静かな大地の懐、大雪洞のなかでチゲ鍋をかこむ北海道の夜。隊長椎名誠と“あや隊”の面々は自然との原初的な出会いを求めて、思いつくまま海・山・川へ。波見とキャンプと焚火を愛する男たちの夜は、心地よい疲れと酔いとともに正しくあやしく、しみじみと更けていくのであった―。
目次
序章 早春の突如的八ガ岳アイス・クライミング
第1章 神津島・天上山/風の島ずりずら風雲録
第2章 南九州ばか湯ばか酒ばか唄旅
第3章 あっぱれ富士山/晴天清貧人生格言感涙旅
第4章 雪山雪洞炉辺夜話的追想旅/すべりつつヒトはいろいろ考える
第5章 冬枯れの男体山/大汗ポリプロピレン旅
第6章 赤眼酔談=沖永良部島編―森羅万象諸国偏辺焚火話
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
82
怪しい探検隊シリーズ第6弾。今回も呑兵衛のおっさん達が全国至る所にワッセワッセと出掛けて野外にテントを張り、焚き火を前に酒を酌み交わす。ただそれだけなんだけど、実に楽しそうだ。早春の八ヶ岳ではアイスフォールを攻めた後、氷瀑を削った氷でオンザロック。富士を望む伊豆キャンプ場で、焚き火に宴会、そして温泉。北海道の原野で作った雪洞での一夜。いいなあ〜。椎名隊長も50歳、探検の後に必ず温泉があるのはご愛嬌。最近では「焚き火禁止」なんて言う軟弱キャンプ場も多いけど、ふざけんな!キャンプに焚き火は付き物だ。★★★★2017/01/17
佐々陽太朗(K.Tsubota)
54
シーナ調昭和軽薄体は平成の世が長くなった今も錆び付くことなく矍鑠たり。この文章に「重厚長大」という言葉ほど無縁な言葉はなかろう。かといって「軽薄短小」かといえばさにあらず。では「軽佻浮薄」かといえば、これまた当たらない。軽妙に語られる内容は、実はシーナ氏の確固とした考えに裏付けられており、ちゃらちゃら浮ついたものではないのである。シーナ氏の一言で集まり、海に、山に、川に、島にどかどかと踏み入って焚き火を囲んで旨いものを食い酒を飲む。ここには昭和のニオイが染みついたオジサンの正しい姿がある。2013/06/03
たーくん
9
再読→→→隊長・椎名誠率いる「あやしい探検隊」は突如的無計画な招集のもと、南へ北へ、海山川へ。焚火と酒をこよなく愛する男たちは、神津島の烈風登山で神々を感じ、南九州の温泉でバカになり、富士山のふところで格言に人生の真理を探した…。心地よい時間を求めて日本中を旅した“あや探”至福の旅記録。 2018/02/06
you123
5
怪しい探検隊シリーズ刊行年代順▶️▶️『わしらは怪しい探検隊』(1980)▶️『怪しい探検隊北へ』(1984)▶️『怪しい探検隊不思議島へ行く』(1985)▶️『怪しい探検隊海で笑う』(1988)▶️『怪しい探検隊アフリカ乱入』(1991)▶️『怪しい探検隊焚火酔虎伝(1995)2014/12/17
なりを
5
年をとってもこういうアウトドア生活を送ってみたいと思わせる1冊2013/02/17