内容説明
「美しすぎる」という罪を負って生まれた少女・玲子。彼女は17歳で2度まで、友人の三原山での自殺行の同伴者になり、世間から奇異の目で見られ、美貌のゆえに注目もされる。5年ののち―モデルとして活躍する玲子は、当然のように、男たちの人生を狂わせ、家庭をこわさせ、ひとり真っすぐにスターへの段階を駆け上がっていく。たぐいなく魅力的な女を、あやしく、ミステリアスに描いた傑作長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けいちゃっぷ
5
「美しすぎる」という罪を背負って生まれた少女・玲子。人を人とも思わん玲子が、スターへの階段を駆け上がる物語かと思ってたら違った。やはりスターになるだけの人には、私のような凡人には理解できない部分が多いようです。それでも何故か応援しちゃうな。282ページ2010/06/12
masabox
1
1986年に文庫で出でたんですね。35年以上前。そのときにはどんなインパクトがあったのでしょう。実在のセンセーショナルな事件を絡め、その頃ではもっと圧倒的に霧の向こうであったであろう芸能界を垣間見せ、魔性と言うのを体現するようなお話。劇作家であるわけなので、劇として、映像化として見据えてなんてところはどうなのでしょうか。ですが、やはり文章による想像力の喚起ってのは偉大ですよね。火口付近のイメージから、島の情景、浮かんできます。スター誕生と言うタイトルも、想像力をくすぐります。2022/06/29
おさむ
1
三原山事件が実在の事件だったとは!後書きを読むまで知りませんでした。そこに着想を得たつかこうへいの傑作。玲子という「魔性の女」が持つパワーにつくづく圧倒されます。でも、本当の女優さんって、みんなこんな感じなんでしょうね。2013/07/26
まつ
0
星☆☆
あっぷる
0
美しいものは人を狂わせるのねえ。2023/11/04