角川文庫
貸しボート十三号

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  • サイズ 文庫判/ページ数 364p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041304303
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

72
表題作含め「湖泥」「堕ちたる天女」と中編三作を収録。「湖泥」は対立する二つの旧家、「堕ちたる天女」は戦後の混乱期からのエログロ絵巻と著者が自家薬籠中のものとする二つの要素が収められているのは嬉しい。それに比して両者とも事件の内容は兎に角陰惨。後者とか現在発表されたら大問題間違いなしだし。対して表題作は事件は陰惨ながら意外とすっきりした印象を残す。「何故被害者二人の首を切り落とすのを断念したのか」という一点が最後まで絡んだ他、当時の大学生の青春群像が見えるからかな。収録作それぞれ違った魅力を持つ一冊でした。2020/07/12

Yu。

26
時代背景、設定場所、一人の女性を巡って対立する2つの家、ともうばっちし金田一色がふんだんに盛り込まれた物語材料の面白さはもちろんなのだが、それ以上に記憶に残るある人物の偏執さときたらもう…「湖泥」。ボート上で発見された男女生首半斬り殺人事件の真相は哀しき青春群像とも言える「貸しボート十三号」。性について扱い、インパクトあるあの出だしから始まる事件内容はどっちかと言うと明智探偵の方がすっぽりくるのでは(*´ω`*)ゞ「堕ちたる天使」。とどれもが個性的でとても印象深い3つの事件簿。2015/09/06

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

24
石膏人形やボートの中の惨殺死体など、横溝作品らしい道具立の三短編。残酷な事件にほとほと心身共に深く傷つく、金田一耕助がとっても痛々しくすてき。2015/05/16

みんち

11
引き続き金田一耕助シリーズから、中編「貸しボート十三号」を読了。併録で「湖泥」と「墜ちたる天女」を併録しているが、「湖泥」は以前に短編集「首」で読んだので割愛。物語は、隅田川に浮かぶ一艘の貸しボートから男女の遺体が発見されるところから始まる。女性の方は首を絞められた上に胸を一突き、男性の方は胸を一突きされた上で首を絞められていた。そして、何よりも警察や同行した金田一を震え上がらせたのは二人の首がどちらもノコギリのようなもので切断されかかった途中の状態のまま放置されていた事。2016/11/06

ホームズ

9
表題作『貸しボート十三号』は事件の始まりが良かったですね(笑)猟奇的な感じです(笑)『堕ちたる天女』も予想外の展開が楽しめました(笑)等々力警部と磯川警部の共演が豪華でしたし(笑) 長編の金田一耕助もいいですが、短編や中編の金田一物もいい感じで好きですね(笑)2009/02/28

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