角川文庫<br> 闇のよぶ声

角川文庫
闇のよぶ声

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  • サイズ 文庫判/ページ数 304p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041245040
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

501

17
精神分析学を取り入れたミステリー。遠藤周作のミステリー作品というだけでも意外性がある。神経科医が探偵の役。相談に訪れた婚約者の従兄三人が次々と失踪する事件の真相を追う。登場人物が40代という人生の疲労にやつれた人々として描かれていて、その域に後数年の年にいる自分の人生を妙に意識させられた。2017/11/26

あきまこ

6
これぐらいの時代(大正13年生まれの主人公が40歳くらいで登場する)のものがたまに読みたくなります。ミステリーということで手にとりましたが、途中神経内科医のやや専門的な解説のようなところが中だるみしました。最後、種明かしされるところは予想もしない展開で、事実は小説より奇なり、というような言葉を思い出しました。松本清張を読んだ時も思いましたが、この時代の婚約者って、ずいぶん頑張って相手のことを追跡するんだなぁと思いました。2015/09/13

桜もち 太郎

4
長編推理小説。やはり遠藤周作は凄い。自分も「闇のよぶ声」に吸い込まれていく世代になりました。戦時中の復讐のために殺される人。そして波乱のない毎日の暮らしに疲れ、体、心の奥まで病んで死んでいく人。どうしようもなく、後者の死にざまに共感をしてしまうのです。この二人の男女が特別ではないと思います。生活していく中で満たされない思い、そして何事もなく終わっていくのかという不安と焦り。それがそのまま死につながるとは思いませんが、最後の数ページには引き込まれていきます。心が感応してしまうと少し危険だと思いました。2016/08/06

みい⇔みさまる@この世の悪であれ

2
☆×4.0…負の歴史、というものはこの本の結末部のようにどのような選択肢を取ったとしてもベストの解決は得られなくて結局は妥協をしなければ解決のしようがないのかもしれません。そうなると、この事件の真相はあまりに悲しすぎますね。繰り返さないこと、それが今の私たちにできることでしょう。ユニークなのは心理学が多々出てくるところ。これだけでも私は十二分に楽しませてもらいました。本当に結末は暗澹としていますので要注意です。2012/08/04

barabara

2
かなり衝撃的な後半、人権への配慮から今ではなかなか出会えない内容の社会ミステリ。人が失踪していく社会問題が多発していた時代に出版された、とても興味深いミステリだった。2011/09/11

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