内容説明
強大な帝国・東乎瑠にのまれていく故郷を守るため、絶望的な戦いを繰り広げた戦士団“独角”。その頭であったヴァンは奴隷に落とされ、岩塩鉱に囚われていた。ある夜、一群れの不思議な犬たちが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生する。その隙に逃げ出したヴァンは幼子を拾い、ユナと名付け、育てるが―!?厳しい世界の中で未曾有の危機に立ち向かう、父と子の物語が、いまはじまる―。
著者等紹介
上橋菜穂子[ウエハシナホコ]
作家・川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』で作家デビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞作家賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
1248
ようやく上橋菜穂子の待望の新刊(とりあえず上巻)を読めました。これまでの作品よりも大人向け、世界感もリアルリティも読者の幅を拡げるものだと思います。エボラ出血熱が世界的に流行している状況と黒狼熱の猛威がオーバーラップしてより物語に深みを増しているのではないでしょうか?下巻も楽しみで、この週末に一気に読了予定です。2014/11/28
海猫
1239
ストーリーが波瀾万丈であったりスケールが壮大というわけでは決してない。それでも感じるこの厚みは描写の的確さ豊穣さ、込められた思想の深さ広さからくるもので小説を読む喜びに溢れてる。地に足の着いた安定感が半端じゃない。2組のエピソードが交互に語られる構成は美しく効果的で、物語の膨らみを大いに感じた。太く撚り合わされていく縄のごとし。こうしたファンタジーで医療サスペンス的な面白さがあるのも意外。語り口の平易さ美しさもあって上巻一気読み。このままの勢いで下巻突入。どこに着地するかは見えないが猛烈に期待する。2014/10/02
遥かなる想い
1092
2015年本屋大賞第一位。 読みながら、なぜか韓国の 歴史ドラマを思い浮かべて いた。雄大な物語である。 アカファのヴァンと 天才医術師ホッサル、二人 の視点で、交互に物語は 進むが…病が国を滅ぼす 時代、黒狼熱に対処する 様は生命と医術のあり方 が伺えて面白い。 自然における動物と人間の 共生と闘い…根元的な内容 を読者に示しながら、この 二つの話がどうクロスして いくのか、下巻が楽しみな 終わり方だった。2015/08/09
抹茶モナカ
904
圧倒的な世界観で描かれたファンタジー。病気がテーマらしく、医学的な筆致が目立つ。主役は中年のヴァン、準主役が医術師のホッサル。交互の章立てで、二人の物語が描かれる。部族の抗争の気配がしたところで下巻へ。2015/04/11
どんちん
813
守り人シリーズ以外では、初の上橋ワールドです。バルサの異世界イメージが強くそれを壊したくなかったので、正直、購入を躊躇していました。が、世間wでの推しも強く、踏み切りましたww バルサよりタンダがのほうがでてくる雰囲気満載でしたね。さすが、上橋ワールドといったとこでしょうか。ヴァンストーリ、ホッサルストーリがいつ交錯するのか、その間にいるサエがどう絡んでくるか、ドキドキ感MAXで、上巻が終わってしまった。まぁありがちですが、こんなことなら、もっと早く手に取っていればよかったww 下巻もさらに期待です!2015/05/01