角川文庫<br> こゝろ

角川文庫
こゝろ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 300p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041001127
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

*蜜柑*

27
私が先生と慕うその人は、人と自分に愛想を尽かし、死んだように生きている。未来を前に立ち尽くす私に、先生が遺書という形式で語る衝撃の過去。人の心に巣食う罪の意識を炙りだした一冊。鈍器で殴られたような、ずしりとした衝撃が胸を打つ。先生の過去を知った私と、遺された先生の妻には一切触れず、先生の死によって罪を完遂させている。読者は先生の死に自分の罪を重ねて、葬る。そんなふうに解釈した。そう思わなければ、先生の罪やKの弱さにのまれそうになる。この本の力は凄い。長く読み継がれる本の力にただただ、圧倒された。2013/02/21

Takako

10
普及の名作を初めてきちんと読了。「私」と「先生」と、自殺した「K」という青年たちの心を描き出した小説。難しい理屈をこねくり回し、肥大化した自意識で扱う恋の顚末は、若きインテリゲンツィアらの幼さと未熟さの描写のように思えました。先生もKも、お嬢さんに恋をしながら、見ているのは自分の内面と友人にどう思われるかのみなのです。(思い当たることがあって痛く思う人もいるかもしれません…)同時代に与謝野晶子が「柔肌の熱き血潮に触れもみで悲しからずや道を説く君」と詠んだ気持ちがよくわかる小説でした。あと、先生手紙長いよ!2016/11/27

ちばっち

7
no imageで残念。わたせせいぞうさんの表紙が好きで本書を買ったのに…。高校の国語の教科書に載っていて、授業でやる前に夏休みの宿題として読むように言われたのがキッカケです。その時はすごく面白くて良い本に出会った!と思ったのですが今回は響きませんでした(涙)文学史で好きな本と聞かれて上位に挙げていたののに…。Kのひたすら真っ直ぐに進む姿に自分を卑下してしまったのか、親友を自殺に追い込んでまで手にいれたお嬢さんを残して死んでしまった先生に腹が立ったのか不明ですがまた時期を置いて読み直したいと思います。2013/12/18

猫耳ありす

6
授業で取り扱っているので読んでみました。私にはまだ(一生)理解理解出来ない感情ですが、だからこそ、文学として知ることができて良かったと思っています。2014/01/27

Nat Hat

5
いままできちんと読んだことがなかったので改めて。人が持つエゴとそれに対する後悔を先生の過去を通して表現してる。自分の現状や境遇、行動を産み出してる内面的な思考って先生のように多くの矛盾を含んでいてとても複雑なんだ。それを一人の人物の手紙で表現してるのがすごい。自分も心当たりのある「優越感」とか、「偽善的行動」とか、共感するところが多くて、深層を抉られるみたいで重い物語になるんだと思う。2021/12/25

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