朝日選書
スウェーデンに学ぶ「持続可能な社会」―安心と安全の国づくりとは何か

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 285p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022598929
  • NDC分類 519
  • Cコード C0336

内容説明

私たちの社会は、このままでは持続不可能だ。人類の生存を脅かす環境破壊が現実のものになり、少子高齢化が進みつつあるいま、人間のつくった仕組みを自然法則に合わせて変えていかないかぎり、次世代に無事、安心と安全な社会を引き渡すことはできない。日本が「失われた10年」を空しく過ごしている間に、スウェーデンは、2025年頃に「生態学的に持続可能な社会」あるいは「緑の福祉国家」を実現する、という大きな見取り図のもと、年金制度改革、化石燃料の消費量を抑える、資源の再利用、廃棄物を減らすといった施策を着々と進めてきた。「国家の持続可能性ランキング」(2001年に「国際自然保護連合」が発表した数字)で1位にランクされている国、スウェーデンから、私たちの学ぶものは多い。

目次

はじめに
第1章 二一世紀の日本が初めて直面する「二つの大問題」
第2章 フォアキャストする日本、バックキャストするスウェーデン
第3章 環境問題は日本でどのように位置づけられているか
第4章 今日の決断が明日の環境を決める
第5章 経済成長はいつまで持続可能なのか
第6章 予防志向の国
第7章 進化してきた福祉国家
第8章 「緑の福祉国家」をめざして
第9章 なぜ、先駆的な試みを実践し、世界に発信できるのだろう

著者等紹介

小澤徳太郎[オザワトクタロウ]
1973年スウェーデン大使館に入館。科学技術部環境保護オブザーバーとして環境・エネルギー問題、労働環境問題を担当。1993年「環境基本法案等に関する衆議院環境委員会中央公聴会」公述人。1995年スウェーデン大使館を退館。環境問題スペシャリストとして独立。執筆・講演活動を開始する。1996年「第11回原子力政策円卓会議」招聘者(原子力委員会)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Koichiro Minematsu

7
「持続可能な」関連本の2冊目。読みました! 福祉国家と言われるスウェーデンの環境への考えを理解した。経済ではなく、人にフォーカスされた政策であること。また、その決定権が地方にあることは日本との大きな違い。 先日、ホームセンターで「持続可能な植物」で作られたテーブルセットも目にした。 グローバルな考えでは、このSustainable Developmentの概念は進んでいる。スウェーデンの真似はできないだろうが、学ぶことはできる。 日本の環境問題は人のためではなく、公害対策だ。という指摘には考えさせられた。2014/06/11

壱萬弐仟縁

2
少子・高齢化問題と、適正規模の経済へ、という流れは、待った無しの日本の課題(10ページ)。このことは、安定雇用なくして子どもへの20年保障できないのである。将来不安や、原発収束していないので、適正規模の経済も脱原発、場合によっては脱先進国の選択もあり得ると思う。人口減少社会は不可逆性をもつので、少ない人間で一人あたりの様々な負担が増える。維持可能性からすれば、原発作業員も確保しにくいのが現実で、赤紙が失業者やハローワーク求人に来るような未来では、没落するしかない。政治家、官僚、経営者、アカデミズムなど、社2012/11/08

よしださいめい

1
10年以上の前の本だが、多くの示唆に富む。長期的ビジョンにものごとを考えるスウェーデン。一方、短期的なビジョンしか考えられず、対症療法的な日本の政策。 この差は、どうしたものか。2017/07/24

けん

1
スウェーデン礼賛本。前半では日本とスウェーデンを比較して、日本の政治経済システムが持続可能でないことを批判している。そして後半ではスウェーデンの「緑の福祉国家」政策について述べるのだが、この内容はラディカル以外の何者でもない。持続可能社会を50年スパンで考えるのは科学技術を蔑視してるとしか思えないのだがどうだろう。この本を読んで、あらためて日本の政治経済システムが中途半端でいい感じな、武士の自然体のような、世界の中間にいるような、最も柔軟性のあるシステムに感じた。2011/05/14

0
ポジティブに参考になることも多いが、一番学ぶべきは「福祉国家スウェーデンにも優性思想が根付いていた」という事実ではないだろうか...2012/09/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/75215
  • ご注意事項