朝日選書
世界遺産 知床の素顔―厳冬期の野生動物王国をいく

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  • サイズ B6判/ページ数 212p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022598790
  • NDC分類 450.911
  • Cコード C0330

内容説明

人を寄せつけなかった厳冬の知床岬。雪と氷の世界に、初めて記者とカメラマン、動物研究者が足を踏み入れた。群れをなして越冬するエゾシカ、空を舞うオジロワシ、流氷の上でのんびり昼寝するアザラシ、時折、海から顔を出すクジラやイルカ…。地の果てといわれた知床の冬は、豊穣の冬だった。世界自然遺産登録をめぐって、人間の生活と動物の営みがぶつかり合う。魚を獲ってはいけないのか。里に下りてきたヒグマとどのようにつき合ったらよいのだろう、増えすぎたシカをどうすればよいのだろう。人間が自然と、これからどうかかわっていくべきか。その答えは知床にある。さぁ、必要最小限の荷物をもって知床へ行こう。

目次

第1章 素顔の知床(ようこそ厳冬の知床へ;生と死の食物連鎖;岬を歩く ほか)
第2章 知床の三六五日(知床ってどんなところ?;知床財団とは;ヒグマと生きる ほか)
第3章 知床の未来(世界自然遺産への道;持続可能な漁業をめざして;ダムをどうする ほか)

著者等紹介

佐古浩敏[サコヒロトシ]
1963年、大阪府生まれ。朝日新聞北海道報道部次長。1987年入社。大分支局、西部本社社会部、東京本社政治部などを経て現職。厳冬期知床野生動物調査を担当し、調査に同行

谷口哲雄[タニグチテツオ]
1959年、東京都生まれ。朝日新聞北海道報道部記者。1984年入社。広島支局、週刊朝日編集部、東京本社科学医療部などを経て現職。厳冬期知床野生動物調査を担当し、調査に同行

山中正実[ヤマナカマサミ]
1959年、山口県生まれ。知床財団事務局長。統括研究員。北海道大学大学院水産学研究科北洋水産研究施設で海獣類の研究に携わった後、斜里町に就職。知床自然センター研究員、斜里町自然保護係長を経て現職

岡田秀明[オカダヒデアキ]
1965年、群馬県生まれ。知床財団事務局次長。主任研究員。酪農学園大学獣医学科卒業後、斜里町にて野生動物保護管理業務に従事。獣医師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やすらぎ🍀

122
ようこそ、厳冬の知床へ。多様な生き物が棲む貴重な地の調査を記録した本書。エゾシカの増加によるミズナラの被害。拠点となる番屋の裏庭に近づくヒグマ。手付かずの自然にも外来種が侵入する。アライグマは多数の在来種の脅威となる。持続可能な漁業とトドの群れ。砂防ダムによる川の異変。…流氷、動植物プランクトン、小魚からヒグマまでの食物連鎖。サケは産卵後に栄養分を陸に残し、川によって海と陸が繋がる複合的な生態系。人間が住む場所と地続きであり、完全なる遮断はできない。人間は自然と共生し、バランスを保ち続けなければならない。2019/01/26

yamakujira

8
世界遺産登録に向けての知床を紹介したルポ。中でも興味深く読んだ厳冬期野生生物調査で、エゾシカ調査に偏りすぎなのは、食害が喫緊の課題だから仕方がないか。それにしても、外圧がないと自然保護対策は進まないのか。「トドが大事か、人が大事か」と問われれば、生物種としては「トドが大事」だと思うものの、自主規制に取り組む羅臼漁協の姿勢は尊重したいね。土砂ダム撤去に努力しない林野庁や道庁も見習ってほしいものだ。昨今は世界遺産登録で観光客誘致を期待するけれど、自然遺産については観光客の規制も必要だと感じた。 (★★★☆☆)2015/11/01

gagayuta1990

3
ヒグマの習性は自分が所有したと認識したものに対しての防衛心である。 人間とのかかわりあいで、 ⑴保護してきたエゾジカが急増 ⑵死骸が人里に ⑶クマが食べに来る、食べきれなかった肉を埋め土饅頭をつくる →これがあると凶暴に ⑷観光客が餌をやる→凶暴に クマが何故人を襲うかなど知りもせず、その土地の問題に安易に首を出してはいけない。 世界遺産を守る仕事。感銘を受けます。2017/08/11

Koji

2
15年前の本。私が最後に行ったのがその7年前くらい。いろいろと変わってるのだろうなと思いながら。2021/02/15

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