内容説明
大勝利に終わったはずの日露戦争の講和会議で、報道の力を軽視したつけがまわり、大幅な譲歩を強いられた日本。第二次世界大戦での「新兵器」ラジオを駆使したルーズベルト対ゲッベルスの熾烈なプロパガンダ戦。「テレビの戦争」といわれたベトナム戦争で苦汁をなめたアメリカが、英国のフォークランド紛争での記者対応を参考にして編み出した巧妙なメディアコントロール。湾岸戦争の多国籍軍への巨額の拠出金をあっさりと無視された日本の今なお貧弱な情報発信力…ほかに第一次世界大戦、朝鮮戦争、ボスニア・コソボ紛争、イラク戦争など、この100年間に起きたおもな戦争・紛争を網羅し、戦時におけるメディアの威力と、それを利用しようとする国家の戦略を精緻に検証、ジャーナリズムのあり方を鋭く問う。
目次
1 メディアの参戦―日露戦争・第一次世界大戦
2 新媒体の登場―第二次世界大戦前夜
3 電波が左右―第二次世界大戦
4 アメリカ合衆国の挫折―朝鮮戦争まで
5 テレビの登場―ベトナム戦争(1)
6 米国の敗北―ベトナム戦争(2)
7 英国の反攻―フォークランドの戦訓
8 メディアの敗北―湾岸戦争
9 セルビアの転落―旧ユーゴ内戦
10 「9・11」とアフガン―対テロ戦争(1)
11 泥沼化したイラク戦争―対テロ戦争(2)
著者等紹介
木下和寛[キノシタカズヒロ]
1946年生まれ。山口大学経済学部卒業後、1969年、朝日新聞社入社。東京本社社会部で遊軍や防衛庁を担当。文化企画局、ニューメディア本部、電子電波メディア局などを経て、2002年から総合研究センター(現在は総合研究本部)に所属。メディア研究担当部長、総合研究本部長補佐を務めながら『総研リポート AIR21』に論文を執筆
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感想・レビュー
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Humbaba
misui
ポルターガイスト
nanchara_dawn
東京には空がないというけれど・・・