内容説明
奈良や京都には、どうして何百年以上も前に建てられた古建築が今も健在で残っているのだろうか。誰もが一度は抱く素朴な疑問を解決するために、日本建築を正しく把握する方法を身につけよう。そのうえで、今も多くの人びとを引きつける寺院建築が、歴史の流れの中でどのような役割を果たしたのか、どのような意味をもったのか、を考えてみよう。古代や中世の寺院建築はどのように使われたのか、どんな人がそこで活動していたのか。そんな生きた建物の歴史を読み解くことこそ、汲めども尽きぬ古建築の魅力なのだ。私たちの身の回りにある歴史的建造物を手がかりにして、いままで見えなかった歴史の一面が見えてくるなら、こんな楽しいことはない。
目次
1 仏堂の空間と儀式―古代から近世への変遷(唐招提寺―古代仏堂の空間と中世的変容;当麻寺―伝説の地に建つ中世仏堂;照蓮寺―住宅風の空間をもつ真宗寺院)
2 塔―形・意味・技術(醍醐寺―伝統の五重塔 新来の曼荼羅;根来寺―唯一現存する中世の大塔;浄瑠璃寺―浄土庭園に立つ優美な三重塔)
3 中世瀬戸内の寺と社会(浄土寺―尾道水道に臨む中世寺院;明王院―折衷様建築の最高傑作;讃岐国分寺―古代寺院の再興と律衆)
著者等紹介
山岸常人[ヤマギシツネト]
1952年、北海道生まれ。東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。文化庁、奈良国立文化財研究所、神戸芸術工科大学を経て、京都大学大学院工学研究科助教授。工学博士。日本建築史・寺院史専攻。兵庫県・滋賀県・大阪府などの文化財保護審議会委員を務める
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六点
Shoji
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