朝日選書
笑いの歌舞伎史

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  • サイズ B6判/ページ数 240,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022598592
  • NDC分類 774.2
  • Cコード C0374

内容説明

出雲のお国が京都・五条河原で歌舞伎踊りをはじめて400年。歌舞伎は日本を代表する伝統文化のひとつだけれど、江戸時代にはもっと大衆的で時事的で、笑いだくさんだったはず。近松門左衛門の作品で優男を演じた二枚目・坂田藤十郎は滑稽な演技でも評判を呼び、江戸歌舞伎を代表する市川宗家の「家の芸」、歌舞伎十八番の「外郎売り」だって、役者のまくし立てる「早口言葉」が売り物だった。道化役者はお国の時代に笑いを担った「猿若」にまでさかのぼり、世につれ時につれ、滑稽な仕種のおかしみ、哀しみを秘めた笑い、凄みを帯びた笑い、毒を含んだ笑いなどを演じ分けた。いまは忘れられた「笑い」の側面に着目する、きどらない歌舞伎の歴史。

目次

第1章 猿若から道外(道化)へ
第2章 元禄期の道外
第3章 やつしのおかしみ
第4章 並木正三と俄
第5章 並木五瓶と俄
第6章 上方の滑稽劇と三代目中村歌右衛門
第7章 道頓堀の笑いの王者
第8章 鶴屋南北の滑稽
第9章 狂言の歌舞伎化

著者等紹介

荻田清[オギタキヨシ]
1951年香川県生まれ。大阪大学文学部卒業。専門分野は近世上方芸能史、上方文化史。現在梅花女子大学教授。編著書、『上方板歌舞伎関係一枚摺考』(清文堂出版、日本演劇学会河竹賞受賞)など
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感想・レビュー

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氷柱

4
829作目。2月17日から。歌舞伎における道外(道化)を中心とした歴史が説かれている。但しあとがきにも書かれている通り歌舞伎には様々な側面があり、本作はその中の一面しか描いておらず、これで歌舞伎の全てがわかるというわけではないとのことだ。道化ひとつ取ってみても一作の本が出来上がる程なのだから余程広大なジャンルなのだろう。道化と言えば西洋劇がパッと浮かぶが、まさか歌舞伎にもそのような立ち回りがいたとは。しかし劇を見ごたえのものにする要素と捉えてみると当然と言えば当然なのかもしれない。2022/02/20

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