内容説明
民主主義と自由の国であるはずのアメリカが、なぜ中東にヨーロッパにアジアに戦禍をもたらすのか?かつてモンロー主義を国是とした国が、どうして新帝国主義という非難を浴びせられる行動をとるのか?わかりやすいはずのアメリカ社会のわかりにくさを理解するには、共存する多民族による水面下での「文化戦争」の実態を知る必要がある。ワシントンDC、ウォール・ストリートという2つのパワーポイントを創設した旧多数派上流WASP(白人、アングロ=サクスン、プロテスタント)の典型であるブッシュ家と、旺盛な活力で後続移民からのしあがって頂点を極めたアイルランド系のケネディ家―大統領を輩出したアメリカの「二大王朝」の盛衰をたどることは、とりもなおさずこの超大国を深層で動かす強大な力の秘密に迫ることでもある。
目次
序章 多数派であること、少数派であること
1 最初の父子二代大統領
2 「王朝」の産みの親たち
3 ローズとドロシー、そしてバーバラ
4 カトリックvsプロテスタント
5 ケネディ&ブッシュinホワイトハウス
6 東部エスタブリッシュメントと南西部資本
終章 ケネディ、ブッシュ両家の「多民族化」
感想・レビュー
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Kentaro
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私には同じ白人に見えても、イギリス系のアングロサクソンでプロテスタントの文化とイギリスの植民地を経験していたアイルランドからの移民とは、スタートとなる地位がそもそも違うことに加え、カトリックは国の中にカトリックのための小さなソサエティを作り上げていったり、ローマ系カトリックではそもそもアメリカを向かずにローマ法王に従うのではという不信感がプロテスタントの中に根強く残っている。事細かくケネディ家、ブッシュ家に関連した史実を解説してくれていますのでアメリカの近代史を知るには良い参考書になるのではと感じた。2017/03/26