内容説明
いまから約4000年前、イヌ・ブタ・ニワトリの家畜3点セットやタロイモの苗など、生活必需品をカヌーに積み込んで、東南アジアを船出した人々がいた。彼らは巧みにカヌーを操って海流に乗り、ハワイ、トンガ、フィジー、サモアなど、無人だった太平洋の島々にたどりつくと、そこに住み着いた。彼らは森林を切り開いて畑を作り、花の咲く木を植え、持ち込んだ家畜を育てた。私たちを魅了する、豊かでのどかな南の島の暮らしは、島本来の自然を破壊したり変えたりしながら、長い時間をかけて形づくられたのだ。独特の美しい文様をもつ「ラピタ土器」、ビーズの首飾り、魚や動物の骨、石斧や貝斧など、発掘で見つかる遺物が再現する、「南方楽園」の文化と社会。
目次
第1章 海を渡る
第2章 島に住む
第3章 作る
第4章 捕る
第5章 育てる
第6章 食べる
第7章 飾る
第8章 葬る
第9章 ふたたび海へ
著者等紹介
印東道子[イントウミチコ]
東京生まれ。1976年東京女子大学史学科卒業。同科助手を経て、1988年ニュージーランド・オタゴ大学大学院博士課程修了。Ph.D.。北海道東海大学教授を経て、2000年より国立民族学博物館教授。専攻はオセアニア先史学・民族学。研究テーマは、「オセアニアへの人類の拡散と居住戦略」「オセアニアの土器文化」など
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