感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mstr_kk
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2000年ノーベル化学賞の白川さんの講演を本にしたもの。白川さんの功績が素人にも何となくわかりました。ノーベル賞受賞者に過剰な物語性を求める報道や、日本の研究環境の問題点についての指摘もあります。「もっていない夢はかなわない、だから夢はたくさんもつのがいい」というメッセージは、なるほどと思いました。2016/04/04
やなせトモロヲ
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★2017/01/05
かつお
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講演会のことを本にしたもので専門的なことを知らなくても理解できるような本であった。導電性ポリマーでノーベル賞をもらった白川氏は最近話題になったLEDでノーベル賞を受賞した3人と同じく、何かしらの間違いや偶然で新たな物質を生み出している。そして実験がうまくいかない日は当然あるということを学んだ。自分は物性をする人間となる予定で、研究もするようになった。研究がうまくいかなくてくじけそうになったら、この本をまた読みたいと思う。リフレッシュとして。2014/11/19
壱萬弐仟縁
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「試行錯誤を積み重ねていると、あまり論文が書けない。実験の量は結構あるけれども、論文の数が多くない」(40ページ)とは、自然科学、実験系の研究者の悩みなのだとわかる。評者は社会科学の端くれだが、実証研究なら本にする方が簡単な気もするが、売れなければならないし、論文も学会誌に載るにはそれなりのレベルが必要だ。肝心なことは、「創造性を伸ばす教育」、「創造性を評価する社会」なのだ(46ページ)。評者は有機化学を習っていない文系の人間だから、化学はよくわからないが、実験の泥臭い結果、論文にする作業の大変さを思う。2012/08/31