内容説明
激動の時代を生き抜いたあなたの母がここにいる。反戦少女でも軍国少女でもない―夫に仕え、子供を育て―強靭で前向きな―昭和の女。
目次
戦前編（『新万葉集』のこと；天神橋筋三丁目界隈；道子の父清三の生涯；母ナラエ；堀川幼稚園 ほか）
戦後編（戦争が終わるまで；戦後の生活；友人たちの動向；歌を再開；公民館に通う ほか）
感想・レビュー
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とよぽん
33
読友さんの感想を読んで興味を持った。1913年生まれの松井道子さんの生涯を、日記をもとに娘の武田佐知子さんが戦前・戦後に分けて綴った評伝のような本。奈良女子高等師範学校が格式のある学校だったことが、具体的なエピソードを通して伝わる。教員免許を取って教壇に立ち、和歌や書を究め、戦後の厳しい世の中を凛として生き抜いた母。大正2年に生まれ、昭和の時代を経て平成に至る82年の生涯を、かくも詳細に再現してまとめ上げた筆者の愛を感じた。2020/02/20
