感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
118
島田陽子を養女役にしたドラマ放映の後、原作を読んだ。娘を殺された男が、妻への復讐のために殺人犯の娘を 養女にするという設定は いくらキリスト教信仰に根ざした罪と赦しの物語とは いえ、当時としては過激で胸になぜか痛かった記憶が ある。 逆に言えば、読者の心を刻むような小説を 三浦綾子は次々と書き、私たちは刻まれていた・・ そんな時代だった。 2004/01/01
たつや
39
三浦さんのデビュー作品とのことですがこの作品で1000万かあ、いいなと思うw。当時の1000万はいまのいくらに匹敵するだろう?でも、自分の子供を殺した犯人の子供を、養女に迎え、自分の子供の様に育てるという設定がキリスト教信者なら普通にあり得るのだろうか?まずそこで悩み、考えながら読んだ。ラストは納得です。2016/09/16
ミミネコ
14
良作とは、何年経っていても読む人を引き込む力があるのだと感じた。30数年前、同級生がこの本を読んでいて「難しそうな本読んでいてすごいなあ」と尊敬していたなあ…やっと私も読めた。陽子の生い立ちに立ち向かって、捻くれた人間にはなりたくない、という心の強さ。夏枝の昼メロに出てきそうな、女と自己愛を全面に出す継母。「汝の敵を愛せよ」と言われたとしても、妻に黙って我が子を殺した男の子どもを引き取るなんて、なんと恐ろしい事かと感じた。2020/08/26
MeGue
14
「原罪」がテーマだけあって重たい愛憎劇だった。 娘を殺した男の子供を育てるという突拍子もない話し。憎しみと嫉妬にまみれた家庭に置かれた陽子の境遇がいたたまれなかった。それでも最後まで読んでしまえるのはこの本の魅力なのかな。続編も読んでみたい。2015/07/18
ichi
11
【図書館本】人間のドロドロとした汚い部分を表現した作品。心の移り変わりや駆け引きを上手く表現していて、主人公の陽子が不憫でいたたまれなかった。読んでいて苦しい気持ちでした。2022/03/20