出版社内容情報
東北某県の希望ヶ丘開拓村で起きた奇怪な連続殺人事件,梟だけがその一部始終を見ていた…映画の全てに精通した老監督はシナリオに静かな怒りをこめ,セットの図面を描き,俳優の衣装までデザインした.撮影はいかに進んだか.
目次
ふくろうは何をみたか―映画つくりの実際
撮影日誌
シナリオ ふくろう
著者等紹介
新藤兼人[シンドウカネト]
映画監督、シナリオライター。1912年、広島に生まれる。山中貞雄の『盤岳の一生』に感激、映画に志す。34年、新興キネマの現像場に入る。以後美術部、脚本部を経験、松竹大船撮影所の脚本部に移る。50年吉村公三郎、殿山泰司らと独立プロダクション「近代映画協会」設立。02年文化勲章受賞。映画一筋70年。代表監督作品『愛妻物語』『原爆の子』『裸の島』『鬼婆』『ある映画監督の生涯』『午後の遺言状』『三文役者』。最新作『ふくろう』
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぺんぎん
1
監督インタビュー、撮影日誌、「ふくろう」のシナリオの3部から成る。90歳過ぎて低予算で実験的な映画を撮ろうという試みに感心した。ある映画学校で、シナリオには感情をこう表せといった指示を入れてはいけないと教わったが、「ふくろう」のシナリオにはその手の指示が結構出てきたのが意外だった。2019/06/06
大津正
0
先日惜しまれながら逝去した日本の名監督新藤兼人の名作『ふくろう』のシナリオと、撮影日記、そしてこの作品に書ける思いを綴った著作☆ 映画というフィールドのなか、情景ではなく人間の言葉と表情、つまりは演技というファクチャーを使って作り上げたこの作品はシナリオで読むだけで非常に面白い☆