岩波現代文庫
大杉栄 自由への疾走

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  • サイズ 文庫判/ページ数 508,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006030780
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0123

出版社内容情報

アナキストとして自由奔放に生き,日本軍国主義に虐殺された男,大杉榮.思想家として,行動する社会主義者として,日本近代に多大な影響を与えた大杉榮の鮮烈な生涯を,丹念な取材と新たな資料を駆使してダイナミックに描く.

内容説明

「思想に自由あれ。しかしまた行為にも自由あれ。そしてさらにはまた動機にも自由あれ。」アナキストとして自由奔放に生き、日本軍国主義に虐殺された男、大杉栄。思想家として、行動する社会主義者として、日本近代に多大な影響を与えた大杉栄の鮮烈な生涯を、丹念な取材と新たな資料を駆使してダイナミックに描く。

目次

第1章 予感
第2章 叛逆
第3章 苦闘
第4章 煩悶
第5章 自由
第6章 脱出
第7章 虐殺
第8章 復讐
第9章 欺罔

著者等紹介

鎌田慧[カマタサトシ]
1938年、青森県に生まれる。早稲田大学文学部卒業。業界誌記者などを経て、フリーのルポライターとなる
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感想・レビュー

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dasobo

5
活動には言葉が必要である。大杉栄が活動家として一流だったのはその文筆の才と勤勉による。彼が残した多くの優れた文章のおかげで今日のわたしたちも彼の思想をたどり、圧倒され、負けることもできる。本作に記されているのは自由への「知性」の疾走である。2011/05/03

のうみそしる

3
圧倒されっぱなしだった。こんな人間がいたのか。大杉の細かいエピソード、そして社会情勢など、とても分かりやすかった。中でも米騒動での扇動話はニヤニヤ読んでしまった。さらに当時の生きた声がたくさん書かれており、色々な角度からの理解に役立った。それにしても暴走する軍部は憎たらしい。鎌田もっと読んでみよう。2011/08/28

Ikuto Nagura

2
つい先月、新発田城に行ってきたばかりなのだけど、大杉栄が育った町だとは全く知らずに観光してしまった。本書を読んでから行けばよかったと大後悔。本丸の中に自衛隊駐屯地が居座り、軍用車両が駐車してある風景に違和感を感じまくったが、そんな風景が国家からの自由を求める大杉の思想を育てたのも分かる気がする。要は、封建領主の権力が、明治政府へ、さらに現政府へと引き継がれただけなのを示している訳だ。そして無産階級は無産階級のまま…。また、ボルシェビズムによる共産主義も単なる領主の交代だと、あの時代に看破していたのは凄い。2015/11/02

greenman

2
現在日本では大杉栄の名前も紊乱という言葉も忘れられて久しい。もしくはアナーキストのイメージしかないか、あるいは「美は乱調にある」という文章に代表されるぐらいしかない。本書では豊富な文献から大杉栄という人物というよりその存在のもつ熱量をあぶりだし、かつ憲兵に殺される人生を送った短い一生と殺した真犯人を探す意気であふれている。大杉が魅せる観念の自由とはこういうものだ!ということをこれでもかと味わうことができる。しかし著者の立場は明らかにリベラリストというよりは左派、もしくは左翼といわれる位置にあるのは注意。2012/10/17

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