出版社内容情報
永井荷風ゆかりの麻布,銀座,浅草,玉の井など土地ごとに作品を取り上げ,詳細な読みに基づく解説を加え,彼の生きた東京を再現する.荷風と東京を歩くための最良の1冊.
内容説明
永井荷風にゆかりの土地ごとに作品を取り上げ、詳細な読みに基づく解説を加え、荷風の生きた東京を再現する。青少年時代を過ごした小石川・大久保、創作活動の中心となった「偏奇館」の所在地・麻布、足繁く通った銀座・浅草・吉原・玉の井、折りにふれて足を延ばした深川・砂町・荒川放水路。荷風とともに東京を歩くための最良の一冊。
目次
第1部 明治・大正の作品(深川の唄;狐;伝通院 ほか)
第2部 戦前の作品(つゆのあとさき(第一章)
深川の散歩
元八まん ほか)
第3部 戦後の作品(勲章;草紅葉;にぎり飯 ほか)
第4部 『断腸亭日乗』の世界
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浅香山三郎
18
同じ川本氏の『荷風と東京』を読んでから、この本を買つてゐたのだが、長らく積ん読になつてゐた。荷風の作品(『断腸亭日乗』を含む)のアンソロジーと川本氏の解説により構成されてゐて、荷風といふ人が都市東京を如何に巧みに描いたかを知るには至便な本。遡つて、岩波文庫などの荷風作品をちやんと読んでみたくなつた。2020/12/04
方々亭
2
「荷風語録」とあるが荷風の言葉を寄せ集めたものではない。散歩者としての荷風に焦点を当て、時代別に「明治大正」「戦前」「戦後」、それに「断腸亭日乗」と章立てをして、それぞれで東京の町を描いた作品を収録している。時代時代によって、荷風がどの町を気に入っていたのかがはっきりと分かって面白い。昭和の初め、出来上がったばかりの何もない荒川放水路を気に入って歩いていたというのが意外な感じがした。2021/07/26
てら
1
恥ずかしながら、東京在住でかつ自転車通勤しているので、休日に荷風の歩いた場所を巡ってみたりしています。もちろん今では当時の面影がある場所などほとんどありませんが、現代にもやっぱり「消えゆく寸前のもの」があるかもしれないと思ってみたり。2011/09/07
さえきかずひこ
0
抄録が多いが、川本三郎による解説がなかなか良くまとまっている。断腸亭日乗読もう。2010/01/25