内容説明
タイの仏教儀礼や英女王の戴冠式などを例に、儀礼とコミュニケーション、儀礼のことば、儀礼と国家との関係を考察する。国家儀礼は国と社会の統合の中心を具体的に示す装置であることを明らかにし、境界状態、リミナリティ、コミュニタスといった概念によりながら、儀礼がいかに人間の存在にとって本質的な問題であるかを追究する。
目次
プロローグ―儀式的動物
1 儀礼とコミュニケーション
2 儀礼のことば
3 儀礼と国家
4 儀礼の解放・儀礼の拘束
エピローグ―儀礼の死と再生
著者等紹介
青木保[アオキタモツ]
1938年東京に生まれる。東京大学大学院(文化人類学専攻)修了。大阪大学で博士号(人間科学)取得。大阪大学、東京大学などの教授を経て法政大学大学院特任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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毒ドーナツを食べたいな
7
サントリー学芸賞受賞作ということで手に取りました◆民俗学や文化人類学などの基本的知識がないとスラスラ読み下すのはむつかしいと思う◆関心も続かないので一旦手放そう(´・_・`)笑2015/03/19
★★★★★
6
いかなる文化もそれ無しでは存在し得ない「儀礼」について、その概念規定から象徴的側面や、国家の統合に果たす機能的役割まで、包括的に論じた儀礼論。通過儀礼やコミュニタス、劇場国家など、儀礼に関わる重要概念は総出演といった感じで、教科書的にも役に立ちました。個人的には、オースティンの言語行為論をタイの仏教儀礼に適用して論じた第Ⅱ章を興味深く読みましたね。2010/01/31
サンセット
1
実例はタイの文化がほとんどで、様々な理論に対する裏付けが、本書だけでは弱いように思えた。扱う話題は多いが却って話が飛んでるような。儀礼や遊びはコミュニケーションの一種だが、儀礼は聖で遊びは俗だとか、その他もろもろ含め、説明がかなり観念論的に思えた。2017/03/16
Satoru Sekine Tayama
1
ギアーツなどが提唱した人類学概念をかなり分かりやすく著述している。インドネシアの悪霊憑依とその除霊現象についてのルポルタージュ的記述が強く記憶に残っていたが、後年アフリカ系のキリスト教会に出入りするようになり、同じような光景を目の当たりにしてまた読みたいなと思うことがある。
agoyan
1
国家的儀礼は、中央への統合。2014/04/24